15
エースさんが去った後、私たちはビビさんの言葉によって、国に戦争を持ちかける反乱軍を止めるためユバという町へ行くことになった。しかし、ユバへ行くには砂漠を越えなくては行けないらしい。
「なまえさん、これに着替えてくれるかしら…。炎天下の中ずっと歩くし、夜は氷点下まで気温が下がるのよ……。普通の洋服じゃちょっと危険なの」
そう述べるビビさんから渡されるた服は普通の洋服ではないが、砂漠を越えるための服とも思えない衣装。
「…ちょっとこれは露出多くないですか?」
「そう? 私はこれ可愛いと思うんだけどなー。 でも買ってきたのはサンジくんだから文句はサンジくんによろしく!」
「え〜……そんなぁ」
衣装を目の前に掲げて持ち、ナミさんとビビさんを見る。抜群のスタイルの2人とお揃いとも言える衣装を着るのは少し恥ずかしい。下はダボついたハーレムパンツのようだが、上は胸元が大きく開いた完全なるへそ出しと背中出し。
「うーーん…」
「なまえちゃん?大丈夫? 着方が分からない?」
顔を顰めていると鼻の下を伸ばしデレデレとしたサンジさんが近付いてくる。腹を括るしかないようだ。
「サンジさん…恨みますからね」
「エッ!!!?」
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「あら〜!なまえ似合ってるじゃない!」
「なまえさん腹筋すごいわ……」
着替え終わったのはいいがやはり少し恥ずかしく、一緒に貰った羽織を上から羽織る。
「すごいわね、もう少しで6つに割れるんじゃない? それに良いモノ持ってるじゃない」
左手で腹筋、右手で胸の膨らみと器用に触ってくるナミさんは後ろで鼻血を出しながらピクピク沈んでるサンジさんには気付いているのだろうか。
「ナミさん達には負けます」
「歳も近いと思ってたけど実際のところ何歳なの?」
「16です」
「うそ!? 私と同い年じゃない!」
歓喜したようにビビさんに言われるが私は絶望だ。こんな大人っぽい、志がしっかりとした同い年がいるだろうか。
「……お前鍛えてんのか」
座って様子を見ていたゾロさんに話しかけられる。
正直先程のこともあってかゾロさんと話すのは少し気まずいのだ。
「鍛えてるというか……生活上こうなりました」
「今度手合わせすんぞ」
「エッ」
何を勘違いしたのか手合わせの予定が立つが、どこを見てもムキムキのゾロさんに適う予感がしない。
……今度か。
早く言わなければ。お礼をして、旅の無事を祈って。私はアラバスタで復興の手伝いをしてから生活をすると言わなければ。
また流されて更に中途半端な人間になってしまう。
「行くぞウパ!」
「ユバね」
「ユバ!!!」
この人達から離れた生活は少し寂しく感じそうだ。
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