17


なまえちゃんは一言で言えばミステリアス。
自分を隠すのが上手くて、取り繕って、何も気にしてないフリをする。

助けてもらった御礼として一緒に戦うと言ったなまえちゃんは16歳だと知った。
戦える証拠として見せた武器は反射して光る透明な刀。今考えればきっと、さっきチョッパーにやったような液体を凍らせる技を瞬時にやったんだろう。

今まで海を見た事がなくて、16歳で武器を取らなければいけなかったなまえちゃんは一体どんな生活をしてきたのだろうか。
敵のMr.2が現れた時、なまえちゃんだけは触れてこようとする敵から全て避けたと後から聞いた。仮にも敵の2番手だ。その攻撃を避けるのは容易ではないはず。


「ねえ、なまえちゃん」
「? なんでしょうか?」

話しかけるとなまえちゃんは青い瞳をゆらりと揺らす。ルフィのアニキだと名乗った奴は、この世の海の様だとなまえちゃんの瞳を例えた。青くインクを溶かした様なその瞳は何を視ているのか。

「前みたいに気楽に喋ってほしいなァ、おれは」

ルフィはこの戦いが終わったら、なまえちゃんを仲間にする気だ。海賊、海軍に言葉を濁すなまえちゃんは昔何かがあったのかもしれない。でもそんななまえちゃんにルフィは冒険をしてほしいという。


「私には……烏滸がましかったみたいです」

どっかの剣士のせいで元々あった壁が更に分厚くなったぞ……!
なのにあの緑はなまえちゃんの腹筋を見てから何を勘違いしたか手合わせとか抜かしやがって……!なまえちゃんの気持ちも考えやがれ……!!


「そんなことないよ!なまえちゃんは……!」
「私はこの戦いが終わったらアラバスタ復興の手伝いをさせて貰うつもりです…。 それまでにはちゃんと助けてもらった分は返させて頂きます。私には……ルフィさん達は眩しかったみたいです」


遠回しに拒否られた気がした。
オイオイオイ、マリモ早くなまえちゃんに謝れ!絶対になまえちゃんを仲間じゃないとか言った所為だぞ……!

ナミさんとビビちゃん……ルフィはわかるが、達ってなんだ他の奴らか!?
どこが眩しいんだ!濁ってんだろ!?

「なまえーーー!!!」
「ルフィさん……? ウ"ッ」
「なまえちゃん!?」


会話に出てきたルフィのなまえちゃんを呼ぶ声が聞こえると、突如消える隣にいたなまえちゃんの姿。
ルフィに呼ばれ声の方向に振り向いたなまえちゃんはそのまま正面からルフィに掻っ攫われ、最後尾で悲鳴を上げていたルフィは先頭を走っていた。


「あんのクソゴム…!」
「あのバカはなんでじっと出来ないのかしら」
「あはは……、なまえさん大丈夫かしら」


前方からルフィの「つめてェーー!」と喜ぶ声が聞こえる。

なまえちゃんを正面から抱え込んだルフィは腕をぐるぐると巻き、全身密着というぐらいくっついていた。
羨ましい…!けしからん……!なまえちゃんの今の姿はお腹を出し、胸元も大きく開き比例して背中も開いている。羽織を羽織ってるいるとはいえ、あのクソゴムは羽織の下からわざわざなまえちゃんを抱える。

あれが確信犯じゃないだと……!?


体温管理が出来ると言ったなまえちゃんの素肌はとても冷たい。ナミさんが言った通り体温管理が出来るの一言で納めていいのか考えるほどだ。

「さっきのなまえちゃん柔かったな……」

頬は女の子特有の柔らかさと滑らかさで、少し撫でられた手の感触を今でも覚えている。

「サンジお前……」
「……んだよ、長っ鼻」


やべ、声に出てたなんて焦るのはもう遅いから諦める。


「あーーーーー暑いぜ」


煙草にライターで火をつける。
これは、気温の暑さか、火の熱さか、


それとも、

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