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「で…、何なんだこのラクダは…」
トカゲのお肉を焼いて香ばしい匂いが漂う頃、ゾロさんはみんなが気になっているであろう質問をした。
大トカゲから逃げてきたルフィさんは隣にラクダ連れてきていたのだ。そのラクダは鞍が付いていて人が乗った形跡があった。
ルフィさんが言うにはトカゲから最初に逃げていたのはこのラクダだったそう。
「乗れるな!こいつに乗ってけば楽だ!」
「おお、そりゃ助かるなァ。 2人は乗れそうだぜ」
サンジさんがそう言うとルフィさんが鞍を掴みよじ登るが、ラクダはその大きな口を使ってルフィさんの頭を噛んだ。
「何だ!?」
「えっと…、『おれは通りすがりのヤサラクダ。 危ねェところを助けてくれてありがとう。 乗っけてやってもいいが、おれは男は乗せねェ派だ』って言ってる」
「ふっ」
「!!? こいつ生意気だぞ!!誰が命を救ってやったと思ってんだ!!」
思わず笑い声が漏れてしまった。
今まで動物の言いたいことなんて、分かりたくても現実的にはそれは難しくて出来なかったけど…、こういう喋り方なんだなあ。
「なまえ何笑ってるのよ」
「ふっ、フフっ!ラクダってこんな喋り方なんだって考えたら…!」
「呑気ねぇ」
そう言ったナミさんは「いいコじゃない」と語尾にハートマークが付きそうな猫撫で声を出しラクダを撫でた。そのラクダは目がハートになっていて、使えるものはなんでも使うナミさんは良いキャラしてるなぁとひとり納得する。
「キミ何て読んだらいい?」
「アホ」
「ボケ」
「タコ」
「じゃ、マツゲってことで」
テンポのいいやり取りにまた、ふふっと声を漏らすとゾロさんがまた意味深な視線を向けてきた。
「おまえ意外と笑うんだな」
「?? だって、ナミさん達おもしろくて」
私そんなに笑わないかなあ、と思い返してみるが私の世界でクラスメイトに「もっと笑った方が女のコは可愛いぞ」なんて言われたことがあった。
確かに私こんなに笑いの沸点低かったかな、と考えるがこの世界のおかげかもしれない。
この世界は私に結びついてないから、
「ビビ!乗って!」
「ううん、大丈夫。私はまだ歩けるわ。それよりなまえさんに…」
「今回の主役はビビさんなんですから、少しでも楽してください」
気遣ってくれたビビさんの背中をラクダの方に少し押す。
遠慮しながらも乗ったビビさんとナミさんは「それ行けっマツゲッ!!!」と楽しそうに手綱を引っ張った。
するとラクダ元い、マツゲ……さんは、勢いを付けて砂漠を走り出した。
「行っちゃった…」
「「「ちょっと待てーーーー!!!」」」
既に小さくなってるナミさん達の方から、はぐれたら……と声が聞こえるがまだ走り去るマツゲさんの速さに次第に声も小さくなる。
「そんなナミさんも好きだーーーー!!」
「バカ言ってんじゃねェ!追うぞ!」
「うるせェマリモ! なまえちゃんが疲れたらおれが抱っこしてあげるからね!」
「あはは!がんばります」
▼
それからナミさん達に追いつくまでにトラブルは起きまくった。
おかしな形をしたサボテンを摘んでしまったルフィさんが幻覚を見てチョッパーさんに麻酔を刺されたり、当然ながら暑さにバテたり、またもや巨大な生き物に襲われたりと。
途中ナミさん達が見えなくなりながらも、立ち止まって待っていてくれたおかげ合流ができ今度は日が暮れ夜になった。
「真っ暗ですね……」
月明かりだけで彷徨う砂漠は少し不気味に思える。
「しかし何だこの、昼と夜との温度差は」
「砂漠の夜は氷点下まで下がるから」
「ニッキシッ!! なまえ!あったかくなれ!」
「やめろバカ」
腕を広げるルフィさんの頭をウソップさんが叩く。
良かった……さっきみたいなことにならなくて…!
「あそこ!明かりが見える!?」
「着いたのかユバに!! 砂が舞っててよくわかんねェや……!」
ビビさんが指をさした方向を見ると明かりが微かに点いた町のようなものが見えた。しかしそれは何かに覆われてよく見えなくて……
「町の様子がおかしい…!」
目を凝らしてみたユバの町は豪風を立てて砂嵐に覆われていた。
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