鳩羽つぐ
「つぐちゃん、これすごくきれいだね」
ランドセルの時間割とかを入れるところに、浴衣のつぐちゃんと朝顔の写真があった。あわい青の浴衣を着たつぐちゃんは、学校で見るよりも何倍もおとなみたい。
「つぐのおとうさんがとってくれたの」
「つぐちゃんのおとうさん、すごいね」
「写真家になりたかったんだって。でも、この写真を撮るのにも三十分ぐらいかけたんだよ。変にこだわって、わつぐもおかあさんもめいわくしてるの。なまえちゃんのおとうさんは、どんなひと?」
答えるのがすこしこわい。たぶん、つぐちゃんの想像するおとうさんと、わたしのおとうさんはせんぜん、ちがうから。
「……ふつうのひと」
そう答えるのがせいいっぱいだった。