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0510
Thu

鳩羽つぐ


「なまえちゃん、もらったからいっしょに食べよう」
つぐちゃんは透きとおっている茶色と黄色のまざったふしぎな何かをくれた。つぐちゃんは自分の分をすぐになめた。
「これ、なに?」
「べっこうあめ。おいしいよ」
べっこうあめは太陽の光をあびてぴかぴかと光る。なんだか焦がしちゃったみたいで、あんまりおいしくなさそう。ゆっくりとなめると、甘くて甘くて、とても甘かった。お砂糖をなめてるみたい。
「誰からもらったの?」
「知らない人」
つぐちゃんの言葉をきいて、わたしはあめを落としそうになった。知らない人からもらったものなんて、食べちゃダメなのに、なめちゃったよ。
「知らない人? だいじょうぶなの?」
「うそだよ、先生からもらったの」
「うそ……そっか、それならいいけど」
つぐちゃんは、なんだかよくわからないときにうそをつく。ものすごく自然にうそをつくから、わたしはいつも信じてしまう。となりでぴかひかしているあめを見つめるつぐちゃんは、そういうわたしをどう思ってるかな。