ドロッセル
ティーカップに注がれた紅茶の上品な香りが私の部屋の中に満ちていく。本当は外のほうが雰囲気が出ると思ったのだけど、ドロッセルちゃんが望んだのは私の部屋だった。
「まぁ! なまえさん! 紅茶はまず香りを楽しまなくてはダメですの! ああ、そんなにお砂糖を入れたら……!」
「ドロッセルちゃんは大人だなあ。私ミルクも砂糖も入れなくちゃ飲めないよ」
「お、大人だなんて……貴族のたしなみとして当然のことをしているまでですの〜!」
ふくふくとしたほっぺたを少し膨らまして、満足気な顔をするドロッセルちゃん。甘さしか残らない紅茶はいつもよりおいしくおもえた。