October

貴方は田中琴葉で『見えないサイン』をお題にして140文字SSを書いてください。
あの子が、私の方を見てゆっくりと絹のような髪をかきあげた。それは私の好きな仕草で、私達だけの秘密のサイン。誰も知らないサインは、私たちが互いに恋をした瞬間を再現している。目を合わせると、くすくすと笑ったあの子。恥ずかしそうに、私もそっと見えないサインをした。

我那覇響へのお題は『世界でひとつだけの終末論』です。
「自分がアイドルをやめたって、なまえとは一緒にいるぞ!」
響は、私がいちばん欲しかった言葉をくれた。
「ほんとに?」
「絶対って、約束する!」
「約束、だからね。」
アイドルという世界が終わりを迎えたとしても、私たちは共に生きるだろう。それが、私たちの出した答えであり、歩むべき道なのだから。

二階堂千鶴へのお題は『あのね嘘だよ、ほんとはね』です。
「ち、千鶴さんのことなんかだいっきらいなんだから!」
「なっ! わ、私だってあなたのことなんて……あなたのことなんか……」
「はっきりいってくださいよぉ! 嘘なんてつかないでください!」
「き、嫌い! 嫌いだわ! 大嫌い! あなたの我儘なところとか、意地っ張りなところとか全部ぜんぶ嫌い!」
「……っ。そ、そうですよね! 我儘で頑固で猫かぶりで気が短い私のことなんか千鶴さんは嫌いなんですよね! はいはい!」
「その通りですわ! その通り! き、きらいだわ……あなたのぜんぶがきらい……周りに気を使って、自分のことを疎かにするところも、怖くても弱音も吐かないところも、自分を無理してつくって辛いことを全て溜め込むところも、ぜんぶ、ぜんぶ、きらい……」
「……わたしだって、わたしも、千鶴さんの変に意地っ張りなところとか、無理してセレブキャラつくってるところとか、きらいです……、ううん、うそです。ほんとは、千鶴さんの全部が好きです。優しくって、気遣いができて、面倒見のいい千鶴さんが大好きです」
「……わ、私だって、あなたが好きに決まっているじゃない」
「そっか……、えへへ、両想いですね」

貴方は島原エレナで『痛いの痛いのとんでいけ』をお題にして140文字SSを書いてください。
私が劇場の舞台から転落したとき、真っ先に駆けつけてくれたのは他でもないエレナだった。もちろん、みんな心配してくれたのだけれども、その時のエレナはちょっと怖かった。手加減のない強い衝撃が肩に加わると同時に、まるで私が死んでしまうのではないかという顔つきでいた事は記憶に新しい。「痛いの、痛いの、とんでけ」。なれない日本語でゆっくりと囁いた彼女の瞳には、青白い私が映っていた。