April

貴方は所恵美で『忘れてなかったら、』をお題にして140文字SSを書いてください。
「アイドルやめたら、私と付き合ってくれる?」
唐突に口を開いたら、これだ。アタシはいつも、なまえに振り回されてばかり。今の状況にアタシは満足している。プロデューサーも優しいし、琴葉やエレナ、他の劇場のメンバーとも楽しくアイドルをやっているのにこれ以上なにを望むというのか。まあ、恋人はほしいけど。
「アタシはなまえみたいなめんどくさい恋人はほしくないっ」
「なまえちゃんは可愛くて恵美みたいな理想の高い女の子の欲求を満たせるんだぞ!」
「あーあーはいはい。どうせアタシは夢見過ぎて男ができませんよ〜だ」
小馬鹿にした言い方で、アタシの堪忍袋の緒はたやすく切れる。すねたようにそっぽを向いていると、少しは気を悪くしたのかアタシに甘い言葉をかけてきた。
「ねえ、恵美。ダメ? 私、今の関係もすごく好きだけど、恵美のこともっと知りたいの。アイドルなんていつかはやめちゃうんだからさ。一瞬のきらめきなんだよ、私達」
わかってる。いつかはこの場所を去って、51人全員がそれぞれの道を歩むことぐらい。でも、今ぐらいは恋も愛も知らないふりをしていたっていいでしょ?
「しかたないなあ。アタシがなまえのことをお嫁さんにしてあげるよ。そのころまで忘れてなかったら、だけどね〜」

貴方は宮尾美也で『負けてたまるか』をお題にして140文字SSを書いてください。
私は、天空橋朋花様の子豚だ。朋花様の子豚になった経緯を1から10まで語ればゆうに3日は超えてしまうから省略はするが、あの人は素晴らしい御方なのだ。全ての人類を平等に愛するその姿はまさに聖母マリアで、いつかは朋花様の美しい彫刻ができると毎日考えている。神々にも劣らぬその石膏の美はさぞかし人々を惹きつけるのであろう。嗚呼、なんと罪なお人なのだ。
「あ、なまえちゃん〜。おはようございます〜」
こ、この声は!!
「今日はいいお天気ですね〜サンドイッチ日和なので、作ってきちゃいました♪一緒にピクニックに行きませんか〜?」
宮尾美也!! 全人類民の母なる朋花様をちゃん付けで呼んではピザまで食べさせてもらうというなんとも羨ましい……不敬な行為をするなんて。
「え、遠慮させてもらうわ」
「そうですか〜残念です。それでしたら、今日は朋花ちゃんがお休みなので、朋花ちゃんと行きましょうかね〜」
「ああああ! きょ、今日は特に用事がなかったなぁ〜! あ〜公園でピクニックがしたい気分だ! 美味しい手作りサンドイッチも食べたいなぁ〜!」
ダメ! これ以上朋花様と宮尾美也が仲良くなったら、私の、朋花様が……普通の女の子になっちゃう。そうしたら、私は……
「なまえちゃん、ピクニックに行ってくれるんですか?」
「うっ、よ、予定が開いていたし、たまにはピクニックもいいかなって……」
「それでしたら、私となまえちゃんと朋花ちゃんでピクニックですね〜」
「へっ、と、朋花様はまだ誘っていないんじゃ……」
「実は昨日から約束していたんです〜それがどうかしたんですか〜?」
午後は朋花様と私と宮尾美也で公園に行ってピクニックをした。宮尾美也は朋花様にサンドイッチをあ〜んされていて、本音を言うとすごく羨ましかった。けれども朋花様は本当に素晴らしく出来た御方で、私にもあ〜んをしてくれたのだ。宮尾美也の作った美味しいサンドイッチを噛み締めながら、私は涙を流した。そんな私を見て宮尾美也はニコニコと笑っていて、なんだか悲しくなったけど、絶対に朋花様はわたさないんだから!

貴方は大神環で『制限時間はあと一分』をお題にして140文字SSを書いてください。
環ちゃんは可愛い。それはもう目にいれても痛くないほどだし、可愛い子には旅をさせよとかいうことわざをねじ伏せてまでも隣にずっと痛いぐらいめちゃめちゃ可愛い。
「おねえちゃん! たまき、大きくなったらぜったいになまえおねえちゃんのこと幸せにする! だから、たまきのお嫁さんになって!」
誰なんだ。一体誰が環に変なことを吹き込んだんだ。莉緒姉か、莉緒姉なのか。
「た、環。私達女の子同士だし、結婚できる年齢までに環にも好きな人ができてるかもしれないから、今はちょっとね……」
これが私の精一杯の断り方だった。傷つけずに、なおかつ約束はしない。
「ヤダ! たまき、おねえちゃんいがいの人好きにならないから! 今決めて!」
頑固だ……諦めてくれると思ったのに……
「どうして今じゃなくちゃダメなの? もうちょっと考えちゃダメ?」
「ダメ〜! 今決めなくちゃ取られちゃうよってりおがいってた!」
やっぱり莉緒姉かよ……あの人はまた昼間からお酒でも飲んでるのか……
「なまえおねえちゃん! あと一分いないに決めてね! こうすれば頷くでしょってこのみがいってたから!」
このみさん! セクシーでオトナなこのみさん! いくら酔っているとはいえ流石に12歳に手を出すのをすすめるのはやめようよ……
「いーち、にーい、さーん」
「ちょ、ちょっとまって〜」
どうやって止めればいいものか……プロデューサーを呼ぶのが一番、かな。

天海春香さんの話は短編としてアップしてます