「お茶子ちゃん、ご飯食べに行かない?」
「紫那ちゃん!行こ!ちょうど飯田くんとデクくんと行くとこやったんよ!一緒に食べよ!」
「ありがとう、」

今日はランチラッシュのご飯を食べてみたかったので、お茶子ちゃんに声を掛けて一緒にご飯を食べることにした。

「よ、よろしく・・・知多さん・・!」
「緑谷出久、だったよね。よろしく」
「知多さんの個性、珍しいよね・・とっても強い」
「強いかどうかは分からないけど、珍しいとはよく言われる。・・緑谷こそ、超パワーすごかったけど、」
「僕はまだまだだよ。身体が耐えられてないし・・はは」
「あとクレバーだよね。戦闘訓練見てて感じた。予測の立て方うまいなあって」
「そ、そそそんなことないよ?!!」
「緑谷くんはスゴいぞ!もっと自信を持つべきだ!」
「そうだよ!委員長にも選ばれたんやし!」
「あ、あれはその、僕にも理解ができないよ・・」

先ほど行われた委員長決めは、大いに盛り上がった結果、緑谷と百ちゃんに決まった。ヒーロー志望ならではのあの自己主張の強さの中で選ばれた緑谷は、他の人とは少しタイプが違うように見受けられた。戦闘訓練を見るに、爆豪と何かあるようだし。

「まあ、頑張って」
「うん・・ガンバリマス・・・」
「それはそうと今日の朝の校門前すごい人集りだったが、」
「そうー!カメラ向けられちゃってびっくりしたわ!雄英なんやなーって改めて思わされたというか」
「メディアはやっぱりオールマイトを放っておかな・・・っ?!!」
「!!!!、」
「な、なんなんこの音!??」


『───セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい』

何気なく談議していたその時。けたたましいブザー音とともに、避難を呼びかけるアナウンスが響いた。隣にいた3年生たちがこんなのは初めてだと叫んで、周り一帯がパニックを起こしかけている。廊下にはすでに人集りができていた。敵の侵入だろうか。それとも誤作動───英雄でそんなことは起きないか。

「僕達も避難するぞ!」
「そうね、行きましょう」
「とりあえず廊下に向かおう!あの人混みの中に行くのは、気が引けるけど・・・」
「みんなパニック起こしとる、このままやと危ない・・」

緑谷の視線の先には出口に集まる人の群れがあって、あそこを通るのは骨が折れそうだと案ずる。しかし出口はあそこにしかないようだし、テレポートできる個性の使い手もいなくては仕方がない。

「なるべくひとかたまりになりましょう。踏み倒されたら圧迫されて死ぬ」
「このパニックだからな・・・気をつけろ」
「しかし、これは一体何が原因なんだ」
「ほんとに・・・何が何だかわからないな」
「・・・きもちわるくなるな、」

前も後ろも横も人で密着しきっている。いろんな人の不安定な感情が身体を伝ってきて、頭が痛くなる。ここに長居するのは危ないかもしれない。早く外に、出なければ。

「?紫那ちゃん大丈夫?」
「うん。ちょっと、人酔い」

───こわい。わからない。邪魔だ。待って。うるさい。帰りたい。どいて。どけ。触らないで。行かないで。どうすれば。助けて、

「・・・ぁ」
「紫那ちゃ、!」

足が縺れた。

マスコミガチカチコミ?



あじさい