滅ぼされ
「何だ何だぁ〜!?」
「あれは……村の方……」
「……そのようだな」
「何だろう……。物凄いマナがあの雷の方から流れてる……」
「嫌な予感がするわね」
オゼットから、尋常じゃない様子の雷。よくない兆候ではないかと、不安が広がる。
「あの雷……」
レイラは一瞬考えて、すぐに思い至った。
「クルシスの……裁きの雷に似てる……」
「何だって!?」
「確証はないけど」
「急いで行ってみよう!」
すぐにレアバードに乗り込み、まっすぐ、オゼットへ向かった。
「そんな……!」
オゼットの村は焼き払われていた。建物も、人も。周辺の木々にも火が付けられていて炎はどうにもならない勢いで広がり今も尚燃え盛っている。
「……酷い」
「一体何が起きたんだ!」
「見て!」
「ロイド、あれ!」
コレットとジーニアスが指を指す先には村の人らしき少年が倒れている。
「危ない!」
少年のすぐ傍に燃えた木が倒れてくる。
ロイドがすぐさま少年の元へ駆け寄る。
「どうした、大丈夫か!」
他の皆も後から駆け付ける。このままでは危険だ。
「早く逃げよう!」
少年を背負い、火の手の届いていない村の外れ、プレセアの家の近くまで逃げていった。