救出
「ここだよ」
着いた先は砂漠の端にひっそりと立つ建物。少なくとも木や石ではない材質の、見るからに異質な場所である。
「こんな所にディザイアンの基地があったなんて……」
「出入り口にロックがかけられているようね」
リフィルが呟いた矢先、扉が開き中から何人かのディザイアンが出てくる。
「……失礼!」
「う、うわっ!」
扉が閉じられる前にレイラは飛び出し、相手に軽く蹴りをお見舞いする。
「……無茶をするわねぇ」
「今の内に突入するぞ」
相手の怯んだ隙を狙い、中へ侵入していった。
「くっ……神子が侵入したぞ!」
見回りの兵に見つかり、警報が鳴らされる。
襲いかかってきた者を逆に捕らえ、レイラは剣を突き付けて尋ねる。
「……ロイドはどこ?」
「……あ、あっちの部屋だ!」
流石に臆したか、案外あっさり答えてくれた。
「出入り口は封鎖されてるわ。このままではロイドを見つけても意味がない。私は出入り口を開けられないか試してみます」
「気をつけてね、姉さん」
途中リフィルと別れ、教えられた部屋へ突入していった。
ロイドは部屋の中で、数人のディザイアンと対峙しているようであった。
「ロイド! 生きてる?」
「だいじょぶ? 怪我はない?」
「無事のようだな」
「間に合ったみたい」
各々声をかける。ひとまず、怪我などはない様子が見て取れる。
「みんな! 来てくれたのか!」
駆け付けてきた者達の姿を見てロイドの顔が喜びに染まる。
「丁度いい……ここで神子もろとも始末してくれようぞ!」
そう言い放ったのは以前聖堂で会った男――ボータであった。
「……来るぞ」