診断

アルテスタの家に訪れると、アルテスタは驚いたように皆を見やる。

「お前さんたち! お前さんたちがこうしてテセアラに戻ってきたということは、世界は……」
「……実は」

最後の精霊と契約してからの顛末を話す。世界は切り離されず、大樹は暴走しシルヴァラントに甚大な被害をもたらしたこと。
そして、コレットの病のこと。

「そうか……。それで先日の大地震という訳か」
「! こっちにも被害があったのか!」
「他の地方は大したことはないようじゃ。ただ……」
「この辺りでは崩落や土砂崩れがありまシた。ソれでミトスサんが……」

言われてミトスを見やると、ミトスは包帯を巻いていた。

「……あれ! ミトス、どうしたの? 怪我してるじゃない!」
「あ……これは……もう大したことないから……」
「外の岩をご覧になりまシたか? 先日大地震があって、ソの時あの岩が私の方へ落ちてきたんでス。危ないところだったのでスが、ミトスさんが助けてくれて代わりに怪我をサれて……」

家の外に前はなかった岩があったが、あれはその時のものらしい。かなり大きいものだった。

「そうだったの……でも無事でよかったわ」
「ああ。それにタバサを守るなんて、しっかりしてるぜミトス。俺たちを助けてくれたことと言い、お前、本当に良い奴なんだな」

褒められて、ミトスは気恥ずかしそうにする。

「……そんなこと……ないよ」
「ミトスは……優しい……です」
「そうだよ! 姉さんがいなくなったときも一緒に探してくれたし。ボク、ミトスのこと大好きだよ!」
「……ありがとう」

何かと、ミトスには助けられてきた。本人は謙遜するが、本当に優しい子だ。
アルテスタは本題の――コレットの病について話を移す。

「コレットの病じゃが、恐らく、永続天使性無機結晶症じゃろう」
「えいぞくてんし……?」
「百万人に一人という、輝石の拒絶反応じゃ。しかし治療法は遥か昔に失われたと聞いておる。古代大戦時代の資料を見れば、或いは……」

拒絶反応。少なくともレイラは聞いたことがなかった。

「そんなものがあったなんて……全然知らなかった……」
「やっぱり古代大戦か……。古代大戦の資料ってどこを探せばいいんだ……」

ロイドが唸ると、リーガルが提案する。

「確か、サイバックにミトスの足跡を中心にした資料館があったな」
「あ〜、そういやそんなものもあったなぁ……」
「そうだね……。そうみたい。ボク……知ってるよ、そこ」
「資料館……ね。役に立つのかしら……」
「ボクでよければ、案内するよ」

ミトスが案内を買って出ると、ジーニアスがはしゃぐ。

「うん! そうしてもらおうよ」
「お前、ミトスと一緒にいたいだけだろ」
「へへー」
「まあ、資料館なら安全かな。いいぜ、一緒に行こう」

特に危険もないし、折角の申し出だ。受けることにした。

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