遺跡マニア

建物か何かの跡と思わしき場所へ上がる。
コレットがそこにある石版を見て首をかしげる。

「ここが封印なのかな? ウチの紋章があるけど……」
「素晴らしい!!」

リフィルの上げた声に皆何事かと振り向く。

「見ろ、この扉を! 周りの岩とは明らかに性質が違う!
……くくくく……思った通り! これは古代大戦時の魔術障壁として開発されたカーボネイトだ!
あぁ、この滑らかな肌触り……見事だ……」

リフィルは尋常ではない興奮の仕方を顕にし、しまいには陶酔し頬ずりまでし出す始末。
今まで見てきたリフィルという人物像からは想像できない様子に皆は言葉を失う。

「……いつもこうか?」
「そう……なのか?」
「ねえ……ジーニアス……」
「あぁ……隠してたのに……」

ジーニアスはただ肩を落とし落胆するしかなかった。

「ん? この窪みは……神託の石版と書いてあるな。コレット、ここに手をあてろ。それで扉が開くはずだ」
「ホントかよ……」
「これは神子を識別するための魔術が施された石版だ。間違いない」

指し示された石版にコレットが恐る恐る手をあててみると、扉がスライドして地下に続く階段が現れる。
それを見たコレットが歓喜の声を上げる。

「開きました! ……すごい、何だか私、本当に神子みたいです」
「神子なんでしょ、もー」
「よーし! ワクワクしてきたぞ! 早く中に入ろうぜ!」
「……その集中力が続けば良いが」

神子の自覚の薄いコレット、遊びに来たような感覚のロイド……
そんな皆の様子にレイラは頭を抱えたい気分であった。

「本当に大丈夫なの……?」

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