友人たち

突如のディザイアンの来訪に驚いた村人たちは皆家の中に身を潜めていた。
レイラは村の北、聖堂の方へと駆け出していく。

「レイラ!!」

と、ふと学校の前で呼び止められる。
足を止め、呼ばれた方へ目を向けるとよく見知った子たちが。

「レイラ、ディザイアンが聖堂の方に行ったって」
「分かってる。神子を狙ってきたみたいだから、急いで戻ろうとしたのだけど……」

その神子である金髪の少女、コレットは、聖堂の方が気掛かりなのかその方角へ目を向ける。

「私は学校にいたから会わなかったけど、あっちにはおばあ様や祭司様たちが……それに、先生も行っちゃって……」
「そう。……それで、行くの?」
「うん。心配だもん」
「危ないから待っててって、言いたいのだけど……ロイドもいるあたり、無駄そうだね」

少女の傍らにいる赤い服の少年、ロイドに目を向ける。

「ああ、気になるしな」
「……姉さんに怒られても知らないよ……」

ロイドに対して呆れた目を向ける銀髪の少年、ジーニアス。きっと無理矢理連れ出されたのだろう。こちらはあまり乗り気ではないようだ。

「もう、しょうがないなあ」
「やった! これだからレイラって好きだぜ!」
「それじゃ、行こう、皆」

レイラが溜息混じりに笑えばロイドも笑う。
ロイドは自分のやることに比較的寛容なレイラを好いていた。レイラもロイドなら、とつい許してしまうのだ。

「あんまり甘やかすのもどうかと思うんだけどね……」
「別に私ロイドの保護者じゃないし、やりたいことは自由にさせるのがいいと思うから。誰かを傷つけるようなことはダメだけど」

ジーニアスの言葉も何処吹く風であった。

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