バラクラフ王廟

「何かワクワクするぜ!」
「ロイド、そっち気をつけて。針が飛び出るから」
「うわっ!?」

バラクラフの地図を奉納することで神託の石版が現れ、中に入ることができた。
盗掘防止のためトラップが仕掛けられており、油断すると針に刺さったりして大変な事になる。

「ふふふ……ここがバラクラフ王朝……」
「うわ先生、遺跡モード!?」
「変な名を付けるな!」

遺跡モードなリフィルはさておき、仕掛を解除して祭壇に無事辿り着く。

守護者も滞りなく倒し、コレットが祈りを捧げばレミエルが降り立つ。

「よくぞここまで辿りついた。神子コレットよ!」
「……はい」
「クルシスからそなたに天使の力を、我らが祝福を受け取るがいい」
「……は、はい、ありがとうございます」

何故だか、コレットは力を貰うことに乗り気でない様子であった。

「次の封印はここより北西。世界の中心を望む場所。かの地の祭壇で、祈りを捧げよ」
「わかりました……レミエル様」
「また次の封印で待っている。我が娘……コレットよ」

レイラはそのやりとりに何故だか、違和感を感じる。父娘の会話にしては、何かぎこちない、すれ違いのようなものがある。
祈りを終えたコレットは1人、呟く。

「真の天使……かぁ」
「どうした?」
「ん、何でもない。真の天使になったらきっと凄いんだろうなって」

そう言うコレットには、以前のような喜色は見られない。何か、あったのだろうかと邪推してしまう。

コレットが倒れる前に早めに遺跡を出よう、と足早に進んでいたとき――

「待て!」
「この声は……」
「いやな予感」

声の主は予想通り、しいなであった。ここまで追ってきたようだ。

「ようやくこの日が来たな。この古代遺跡がそのまま貴様たちの墓場になる……」
「あなたもここに来てたんですね〜!」

嬉しそうにコレットが歩み寄ればしいなは慌てて距離を取る。

「ち、近づくな! 動くな! 物に触るな!」

オサ山道のようにコレットのドジで身に何かあればたまったものじゃないだろう。ましてやこの場所は罠の宝庫。レイラは内心彼女に同情した。

「せっかくお友だちになれたのにどうして戦わなければならないんですか?」
「誰がアンタと……」

コレットのペースに呑まれかけ、すんでのところで咳払いして武器を構える。

「貴様らと馴れ合うつもりはない! 覚悟!」

しいなは式神を顕現させて共に襲ってくる。レイラも剣を取り、迎え撃つべく構えた。

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