警告
無事に海を渡り、サイバックに入った所で、思わぬ人物と遭遇した。
「クラトス! くっ! コレットを連れていくつもりか!」
ロイドがクラトスに警戒心を顕にし、剣を抜く。レイラはぎょっとしてロイドを止めようとする。
「っ、待って……!」
「……街中でお前とやりあうつもりはない」
クラトスも即座に剣を抜き、ロイドの剣をたたき落とした。
「うわっ!」
その反動でロイドは尻餅をついてしまう。
「お前の腕では、まだ私を倒すことなどできないだろう」
「バカにするな!」
「事実を言ったまでだ」
クラトスの剣が遥か上をいくのは事実。それを指摘されロイドも押し黙った。
去り際、クラトスはコレットに視線を向ける。
「再生の神子。生きたいと思うのなら、その出来損ないの要の紋を外すことだ」
コレットはペンダントを握り、強い意思の篭った声で即座に拒絶する。
「……嫌です。これは、ロイドが私にくれたものだから、絶対に外しません」
「……バカなことを」
クラトスはため息をつくも、それ以上は強要することもなく、そのまま街から去っていった。
「あいつ、コレットを狙ってきたワケじゃないのかな」
「しっかし偉そうな奴だな。すかした喋り方しやがって」
む、とレイラはほんの一瞬ゼロスを睨みつける。が、敵対している手前、すぐに平静を装う。
「アンタはその下品な喋り方、直した方がいいんじゃないの?」
「でひゃひゃひゃ!」
「……ほんとにね」
下品な笑い声を出すゼロス。レイラは心から、しいなに同意した。
「それより、ロイド。その……ケイトという人のところへ行かなくては」
「……そうだな。急ごう」
地下に閉じ込められたロイドたちを解放する代わりに、リフィルとジーニアスを連れて戻ってくる。それがケイトという研究員の出した条件。
約束を守るため、隠し通路から研究院の地下へ向かう。