姫と戦争

怖い怖い。また戦いが始まった。どうして戦うの?どうして人を殺めるの?どうして、どうして・・・?




「姫さま、しばしお傍を離れますことをお許しください」
「必ず姫さまの御身はお守りいたします」

エヴァニエルの私室に訪れたエドガーとデヴィッド、クラウディオが口にする。彼らの服装はいつもの軍服では無く、パイロットスーツ。それは彼らが戦場に出ることを意味する服装。エヴァニエルは顔を青褪めながらもこくり、と頷く。いま口を開けば自分の想いが爆発してしまいそうになる。小刻みに震える身体に見ていられなくなったデヴィッドがそっと触れる。過剰なまでに反応するエヴァニエル。

「大丈夫だよ、エヴァ。俺たちはお前が信じてくれる限り戻ってくるから」
「その通り。エヴァに泣かれると困るからな」
「エヴァを泣かすとコーネリアさまが般若の如くお怒りになるしね」

冗談を交えてエヴァニエルに話しかけるも彼女の顔に笑顔は戻らない。今にも泣き出してしまいそうな表情に3人はお互いの顔を見合わせる。

「し、信じるから。だから、絶対に戻ってきてね」

掠れた声で願われた言葉は様々な思いを封じ込めて発せられた。その思いを感じ取った3人は神妙な面持ちで頷く。

「あぁ、必ず戻る」
「約束だ」
「だから、泣くなよ」