完璧な優しさ

「良かったのか、本当に」
「しつこいね、ルルーシュは」
「お前は、自分より他人を優先するからな」
「そんなことないよ。私はジノの想いより私の願いを取ったもの」
「二度とジノの隣に立てなくなるぞ」
「もう彼の隣に立つ資格は無いよ」

背中を合わせて会話をする。名前はルルーシュに体重を預け、アルバムを捲る。懐かしそうに目を細め、アルバムを眺める名前を雰囲気で察したルルーシュは何も言わずに政務に取り掛かる。

「俺は多くの人間を殺してしまった」
「・・・」
「ユフィ、シャーリー、ロロ・・・。他にも多くの人間を殺してきた。ゼロレクイエムで全てが終わるとは思わない・・・。だが、少しでも・・・・」
「ねぇ、ルルーシュ。いい加減私にも教えて。ゼロレクイエムって何?貴方とスザクは何を企んでいるの?」

ルルーシュの正面に回ってきた名前がルルーシュの瞳を見て尋ねる。名前の瞳にはルルーシュが、ルルーシュの瞳には名前が映る。ふっ、とルルーシュの瞳が伏せられ視線を外される。

「秘密だ」
「どうして、私は・・・」
「時が来たら教えてやる」
「約束だからね」
「あぁ」

だからって、どうして、あなたはあなたが死ぬときに教えるのですか。