アンノウンが多数アル・シャハルの守備隊を撃破してステージ付近へと向かっているとの情報と同時に視認した瞬間になまえは目を見開いた。
知っている、この風を知っている。永遠に隣に在ると信じていた風なのだから。
ミサイルの爆風で体勢を崩すなまえにアンノウンが接近しようとするもそれはアラド隊長の迎撃により距離を取らざるを得なくなる。
「なまえ、大丈夫?」
「カナ、メ……えぇ、だいじょうぶ」
いけないボーダーラインの前奏に気持ちを集中させる。震える身体に鞭を打ってマイクを握り、瓦礫と化した町の中を走り出す。
「ランラン、大丈夫?」
「…なにが?」
柔く微笑むなまえにマキナはそれ以上踏み込めなくなる。ワルキューレの中で唯一の同い年。レイナとは姉妹のように親しいが、同い年というのはまた違った絆がある。のだけど今日に限ってはその絆をなまえが拒絶してくる。
答えあぐねているとなまえはそのまま次のワクチンライブの予定地、惑星ランドールへの下見へ去って行った。
「なまえやっぱりおかしい」
「だよね〜。でもランラン聞くなって訴えてくるんだもん」