02

土方歳三side



香耶の姿はいつもの銀髪碧眼じゃなかった。
血に飢えた赤い瞳に、蜘蛛の糸のような真っ白な髪。

それでも。
殺すなんて考え付かなかった。この俺が。新選組副長のこの俺が、だ。



香耶の吸血衝動は、生きているかぎり永遠に続く生き地獄。
その身が不老不死となって、狂うことも出来ず、死ぬことも出来ず。
己の血をむさぼって。


「いつか……空っぽになって死ぬのかもしれないな」

「死なせねえよ」


なら、俺がおまえに与えればいい。簡単なことだろ。
まばゆいほどに月の光を反射する銀色の髪を梳きながら、香耶の頭を抱き寄せる。


「俺が満たしてやる」

「な、」


血の気の失せたかんばせに唇をよせれば。
香耶は碧眼を見開いて、頬を桜色に染めた。




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