13

月神香耶side



どぉーん……

「うん?」

遠くで爆音が聞こえた。


「なんだろ。並中かな」

「またマフィアが絡んでんじゃねえだろうな」

そばにいた歳三君は眉間にしわを寄せた。

「絡んでるでしょう。確実に」

あはは、と笑いかけると歳三君は頭痛をごまかすように頭を抱える。

現在、並盛中学校にはマフィア関係者が集まりつつある。
新選組に属する総司君、一君、平助君、薫君、千鶴ちゃんは言うまでもなく。
ボンゴレ十代目候補である綱吉君、それから最近その綱吉君の守護者候補であるスモーキン・ボム隼人もとい獄寺隼人が転入してきた。

恭弥は新選組には入っていないため、リボーンのことだから彼に確実に目を付けるだろう。私としては恭弥が望むようになればいいと思う。

椅子から立ち上がり背伸びしながら窓に近づく。
ガラス越しに空を見上げれば、遠くまで晴れ渡った青空が網膜を刺激した。

「……香耶、なにしてやがる」

「え?」

歳三君は何故か額に青筋を立てて私を見る。

「なにって……空見てる」

「嘘つけてめぇ、窓枠に足がかかってんぞ」

「おっといけない。癖で足が勝手に」

「どんな足癖だ!」

無意識に窓の鍵を開け足までかけていたとは恐ろしい足癖……!

「……香耶」

もう一度名を呼ばれて振り向くと、机に置いておいたはずの携帯を投げ渡されてとっさに受取った。

「え?」

「せめて連絡手段は持ち歩いとけ」

私は手元の自分の携帯と歳三君の顔を交互に見てぱちぱちと瞬いた。
歳三君は私のほうを見ず、机の上の書類を整理しはじめる。
私の代わりに仕事をやってくれるらしい。
なんだおい。惚れてまうやろ。

「……っありがとう歳三君! 行ってきまーす!」

「だからてめぇ窓から出るんじゃねえよ!」

そんな歳三君の怒鳴り声を聞きながら、私は外に踊り出たのだった。




ところ変わって並盛中学校。
校門から覗くことができる校庭は、私が知っているそれとは大きく様変わりしていた。

額に炎を灯したパンツ一丁の男の子が校庭を真っ二つにしている……あの子、綱吉君だよね。
彼の腕に死ぬ気弾がビスビスと命中するのを見た。私がその弾道の元をたどると、校舎の窓からニヒルに笑うリボーンと目が合った。

「じ、地震!?」

「一体何が起きてるんだ!?」

「獄寺と沢田だな! グラウンドで何をしているかーっ」

おやおや。
驚いて窓から顔をのぞかせる生徒たちや、この騒ぎに怒鳴り散らす教師。
そちらへ目線を向けると同時に、砂煙がもくもくと私の視界を遮った。

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