15
月神香耶side
「そもそもなんで校庭割ってたの?」
「あ、あれはその……」
「理科の教師が言ったんだよ。15年前に埋めたタイムカプセルを掘り出せなければ十代目と俺を退学にするって」
「へぇ……」
獄寺君の説明に引っ掛かりを覚えた。
「本当に理科の先生が言ったの?」
「は、はい。そうですけど……」
「根津の野郎、一流大学出身だかなんだか知らねえが、十代目を侮辱しやがって」
「へぇ……」
タイムカプセルか……。
「って……あれ、獄寺君が持ってるの、もしかしてタイムカプセルじゃ……」
「あ、これっすか。残念ながら15年前のカプセルは見つからなかったんですが、かわりに40年前のカプセルが出てきたんすよ」
「見せて見せて」
「ま、待って獄寺君、香耶さん! 勝手に開けるのってよくないよ!」
綱吉君の制止を振り切り、そのスチール製の箱を開ける。
するとそこには、くだんの根津銅八郎が並中生だった頃に取った、点数ひと桁代のテストがごろごろ出てきたのだった。
「あ、あいつ、エリートコースとか言っときながらなんで平凡な並中のタイムカプセルからテストが出て来るんだ!」
「しかも俺より点数低っ!」
「なんでこの根津ってひとはタイムカプセルにテストなんか入れたんだろ。40年後に恥かくって考え付かなかったのかな」
「でもこれで根津の弱みを握れましたね! 退学しなくてよくなるかもしれませんよ!」
「脅迫しようとしてるよこのひとー!?」
「あははは」
綱吉君、面白い友達ができてよかったねー。
「笑い事じゃありませんよ、香耶さん……」
「そんな深刻そうな顔しなくっても、君たちは最初から退学になんてならないよ」
ぽんぽんと綱吉君のふわふわの茶髪をなでると、綱吉君はきょとんと私を見て目を瞬いた。
「なんでてめぇにそんなことが言えるんだよ」
「よく考えてみなよ獄寺君。並中は公立中学でしょ。義務教育中なんだから一教員に君たちを退学させられる権利なんかないんだよ」
「え」
「あ」
しばしの沈黙の後、綱吉君と獄寺君は頭を抱えながらその場に崩れ落ちた。
『忘れてたぁぁ!!!』