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竹中半兵衛side



やっぱりさ、香耶殿のいるところがおれ達の帰る場所って感じだよね。香耶殿は嫌な顔しそうだけど。

ってなわけで、やってきました小田原城!

香耶殿は城主氏政公にどうやって話をつけたのかしらないけど、堅城小田原城の三の丸に居を構え、婆娑羅の研究をしながら皆の帰りを待っていた。



「風魔君に聞いたんだけど、ちょうど稲葉山城に織田が攻めて来てたんだってね? 怪我無い?」

「う、うん」

「こちらの竹中半兵衛に会ったんだってね?」

なんでそこまで詳しく!? まさか風魔小太郎殿、見てたの?



「…………いいな」

「え、今なんて、」

「いいなぁいいなぁ私も見てみたかった! 会いたくはないけど見てみたかった!」

「ええぇそっち!!?」

そうだ、香耶殿はふつうじゃなかった。
てっきり怒られたり追い出されたりするかもと思ってたけど……。

「あ。でも『明月』に興味あればあっちから探しに来るんだよね? やだ隠れなきゃ。ちょっと本丸に行ってくる」

「待って待ってなんで本丸!?」

「天守の屋根裏なら誰にも見つからないから」

「見てきたように言わないでよ心臓に悪い!」

あれ、なんで俺こんなに必死に香耶殿のボケに突っこんでるんだろ。



「私これでもじっちゃんと……氏政公と仲いいんだよ。北条五代の話で盛り上がれるもん」

「あなたはいろんな意味で俺の期待を裏切ってくれるよ……しかも氏政公を“じっちゃん”って呼んでるの?」

「じっちゃんが呼んでいいって言ったんだよ。まぁ国臣の前では呼ばないけど」

「それが賢明だよ、ホント」

言いながら、ずっと香耶殿の頭にあった自分の帽子を取り返す。
まぁ、香耶殿や俺に害がないならいい。



「さて、ひとつ憂いが消えたところで、城下町の散策にでも行こうかな」

「お、いいねぇ。私も行く。たまには息抜きしなきゃ」

「香耶殿は終生息抜きでしょ」

「良いこと言うね! やっぱ人生大半息抜きとちょっとの本気」

「良いこと言ったつもりはないんだけど……その持論を町で広めないでよ。子供が真似するから」

「あははー了解でーす」

やっぱ好いなぁ。
香耶殿って。



※ちょっと開き直ってきた香耶さん。小田原城に住んでじっちゃんがスポンサーになってる時点でキャラに関わらないなんて不可能だ。

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