駿羽はギリギリまでビルに近づき、窓の傍で止まった
「中は、誰もいないな………………よし!」
天雅は窓の近くに誰もいないのを確認すると、身体を揺らして勢いを付け窓ガラスを蹴破った
「ふぅ…………割れてよかったぁー………」
割れた窓からスルリと中に入り込み、駿羽にお礼を言ってボールに戻す
「んじゃ、急いで最上階に行くか…………」
天雅はそう呟いて、ビルの廊下を駆け出した
―数分後―
「み、見つからねぇ…………」
そのフロアを全て見てみたものの
上の階に行ける階段もエレベーターも見つからず、天雅は困り果てていた
「まさか、この階からじゃ行けないとか………?」
時間を無駄にしてしまったと落ち込んでいると、ボールの中にいる誠勇が慌てて叫んだ
「天雅様!誰か来ます、隠れてください!!」
「え、隠れる場所!?………………えーと、あっ!」
辺りを見回すと仮眠用のベッドが置いてあり、天雅は迷わず潜り込む
天雅がベッドに潜ると同時に、人の足音が聞こえてきた
少しすると足音は遠ざかり天雅はベッドから出ようとしたが
――――――グイッ!
「えっ!?うわぁ!!」
突然腕を引かれ、ベッドの中に戻された
そしてベッドの中にいたのは………………
「………サターン!!!」
「もう侵入していたか……………」
天雅を引きずり込んだ人物は、リッシ湖で戦ったギンガ団幹部・サターンだった
「奇遇だな、こんな所で会うとは……………」
「ごちゃごちゃ言ってないで、腕を放せ!」
天雅はサターンの手を振り払おうとするが、サターンは放そうとしない
それどころか、怪しい笑みを天雅に向けている
「冷たいな、これでも私はお前との再会を待っていたんだ………………」
「どういう意味だ………!?」
「お前に興味が湧いたんだ………………天雅」
そう囁いて、サターンの顔が天雅に近づく
「悪いが、俺はお前に興味は無いんだ………………この手を放せ」
天雅が冷たく言い放ったが、サターンは笑みを崩そうとしない
「なら、これはどうだ…………………?」
――――――チュ………
「なっ!!?」
サターンは天雅の額にそっと唇を寄せ、キスをした
「これなら、嫌でも私を忘れないだろう?」
「っ!!!」
――――バシッ!!
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