『「騎士」はね、自分の魂が永遠に消えないよう願ったんだ…………………』




『そして魂は、今まで何人もの人間の身体に宿ったんです』




「つまり……『騎士』の魂が、俺の身体の中にあるのか?」



『ええ、そうよ。だから天雅は天雅で………ちゃんと魂があるわ』



エムリットは優しくそう言うと、小さな子供をなだめる様に天雅を撫でた



『不安な思いをさせてごめんなさい……………「騎士」の魂はアナタの中にあるだけ』




『そして、必要な時のみ魂は目覚め…………ポケモンを守る』




『魂は、アナタの身体に一切害を与えません……………「騎士」はそういう方です』




「じゃあ、リッシ湖で強羅達が見たのは…………」




「『騎士』…………だったのか」



強羅の頭の中に、騎士の姿がよぎった




『それと、もう一つ』




「まだ何かあるのか?」





『「騎士」は魂であって、身体は無い……………………だから、目覚めている間は天雅の身体を使うの』




『そして天雅の魂は一時、騎士の魂と入れ替わる』




『役目が終われば、「騎士」はまた貴女の中で眠ります』




「えーと、難しい事はよく分かんねえケド…………俺の身体の中には『騎士』と俺の、二つの魂がある………って事だよな?」




『まぁ、簡単に言えばそういうワケよ』



眉を寄せて考えている天雅に、エムリットは笑いかける





「ところでエムリット、天雅に言う事は…………それだけか?」



すると強羅は突然真剣な声になり、エムリットにそう聞く



『実は、…………………天雅にはまだやってもらいたい事があるの』




「え……………?」



強羅の言葉を聞いたエムリットは言いにくそうに喋り

ユクシーとアグノムも俯いている



「さっきの話では、『黒白の騎士』が赤い鎖を断ち切った……………とあったな?」




「えぇ…………天雅には、それと同じ事をやってもらいたいの」



「赤い鎖って………?」




『赤い鎖は、ワタシ達三匹から取出した結晶で作る鎖で………………時間と空間の神を、操る事が出来るの』



「エムリット達は、鎖を断ち切れ無いのか?」




『私達が断ち切れるのは…………どちらかの鎖だけなんです』



ユクシーは暗い面持ちで、そう答える




「どちらかって事は、赤い鎖は二本あるって事か…………」




『あぁ、一本は僕達から取出した結晶で作った物…………もう一本は、アカギが人工的に作った物だ』




.
7/9
prev  next
.