―ナギサシティ―




ジム戦に勝利しPCで回復も済ませた天雅達は、夕日の色に染まり始めたナギサの街を歩いている




「んー、潮風が気持ち良いなー………」



砂浜を歩きながら、天雅は大きく伸びをしてそう呟く



街の方に眼を向ければ、夕飯の買い物客で賑わう市場や、友達に手を振って家へと帰っていく子供達の姿があった



「本当にいい街だな…………………ん?」



だが、その光景を眺めている天雅の視界に、以前見たことのある人物が飛び込んできた




「何で……………アイツが此処に」



すると、天雅は真っ先にその人物に駆け寄った




「おい、待てっ………………アカギ!!」



「!!……………お前は」



天雅が駆け寄ってその人物の名前を呼ぶと、ギンガ団ボス・アカギは眼を見開いた



「何で、テメェが此処にいるんだよ?」



かつて対峙した敵なだけあって、天雅は警戒しながら訊ねる


するとアカギは…………



「………………私が自分の育った街にいて、何か問題でもあるのか?」



「何………っ!?」



アカギのその言葉に、天雅は思わず声を上げて驚く



「聞こえなかったか?此処は、私が育った街だと」



「なら、何であの時……………こんな良い街も消そうと思った?」



以前、世界を消そうとしていたアカギに対し、天雅がそう聞くと

ふと、アカギの表情に影が差す




「私の計画の出発点は、この街だった…………」



「………何でだよ、仮にも自分の故郷だろ?」



『心』の無い世界を創るというアカギの野望が、この街で生まれた事を知ると、天雅は動揺する



「……………疲れたのだ」



「疲れた、って?」



「親からの期待と、縛り付けられた日々にだ………」


そう力なく呟くアカギの頭の中には、当時の記憶が昨日のように蘇る








―――――――――――――――――







………―あなたは出来る子なんだから、きっと将来偉くなれるわ!―………






…………―お前は出来る子なんだ!あんな子達と付き合うのは止めなさい!!―…………






―――――――――――――――――――




「自分の望む事も、付き合いも出来ず……………私はこの街で育った」




「アカギ………………」




「だから私は『心』など無ければいいと思った……………」



話し終えたアカギの表情を見て、天雅は静かに訊ねる



「苦しかったか?」、と



するとアカギは一瞬眼を見開くが、すぐに黙り込んでしまう



「返事がないってことは、そうなんだな?」



「…………………」



「でも、お前はもう自由だろ?今からでも遅くないぜ!」



そう言ってニッコリ笑う天雅に、アカギは心底不思議そうな表情を見せる



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