―二週間後―
八つ目のジムバッジを手に入れてから、既に半月が過ぎていた
しかし天雅達はリーグに向かわず、修行の為にテンガン山で山籠りをしている最中だった
そして今天雅は1人で岩場に立ち、眼を閉じて動かない
上はタンクトップで靴も履かず、おまけに体中傷だらけでテーピングがしてある
その時、静寂に包まれた岩場で、微かに何かが動く音がした
すると炎神・誠勇・武刀の三匹が、天雅を囲む形で近づいて来る
ジャリ…………
砂を踏む音が鳴った次の瞬間、三匹は一斉に天雅へ飛び掛かった
「はあぁっ!!」
それと同時に天雅は眼を開き、肘の刀を振り下ろす武刀の攻撃を蹴りで防ぎ
更に、息をつく暇も与えず攻撃してくる誠勇と炎神を躱して、確実に蹴りを決めていく
そんな激しい攻防がしばらく続いた後、少し離れた場所で見ていた強羅が声を掛けた
「天雅、時間だ!!」
強羅の声が響くと、天雅達はピタリと動きを止める
「手当て手当てー!!」
すると、消毒液や絆創膏などの道具を抱えた駿羽が天雅に駆け寄った
「ありがとう、駿羽」
「これくらい任せてよ、あー……!また傷が増えてる」
新しく出来た傷に駿羽が消毒液を塗っていると、突然誠勇が天雅の手を握った
「もう止めましょう天雅様!これ以上、貴女の美しい身体に傷を付けるなど…………!!」
今にも泣き出しそうな誠勇に、炎神と武刀も一緒になって頷く
「誠勇殿の言う通りでござるよ、いくら己の修行とはいえ…………無茶が過ぎる」
「しかも原型の俺達を相手にするなんて……………………せめて擬人化するとか」
だが心配する三匹を優しく撫でると、天雅は首を横に振った
「俺は大丈夫!それに、コレくらい激しい方が性に合ってる」
いつもの様な笑顔を見せてそう言うと、後ろから破山が抱き付いてきた
「天雅は僕達と『一緒に』強くなりたいんだよね。強羅もその事分かってるから、止めないんでしょ?」
「当たり前だ…………じゃなきゃ、こんな事させる理由が無い」
ニコニコ笑いながら破山が聞けば、強羅は小さくため息を吐いて答えた
「トレーナーの俺だけ何もしないでいるなんて、我慢出来ねえ!皆が強くなるなら、俺も一緒だ!!」
天雅がそう言ってまっすぐな瞳で見つめると、少し間を置いて誠勇達は頷いた
「そこまで仰るのなら………仕方ありません」
「協力するぞ、兄者!!」
「ただ、無理はなさらぬように」
三匹が笑って言うと、天雅は「ありがとう!」と言って飛び付いた
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