―翌日―
その日は天雅が正式にチャンピオンとして認められる、『殿堂入り』の日
朝から多くの記者やテレビ局がリーグに集まり、新チャンピオンの取材に意気込んでいた
そしてシロナと天雅がリーグ内の記者会見場に現れると、一斉にカメラのフラッシュが光り始める
しかし、突然シロナがそれを遮るかの様に取材陣に話す
「記者の皆さん、実は会見の前に重要な発表があります!」
すると会場は一気に静かになり、記者達は次の言葉を待つ
それを見て、シロナは天雅に話をするよう振り向いた
そして天雅は前に進み出て一息置くと
「俺は、チャンピオンを辞退します!!!」
と、こう言った
その一瞬、会場はシンと沈黙に包まれたが
だんだんと記者達はざわめき始め、質問が飛び交う
「確かにチャンピオンを辞退するなんて、前代未聞です。でも俺は、チャンピオンと言う立場に就かなくても
チャンピオンに勝てた………それだけで、俺もポケモン達も十分嬉しいんです!!」
そう言うと天雅は、幸せそうな笑顔を見せて言葉を続ける
「だから俺達は『チャンピオン』じゃなく『普通の』トレーナーとして、旅を続けます!!!」
すると天雅はもう一度ニッコリ笑い、出口に向かって駆け出す
「そんじゃ、俺行きます!じゃあなシロナー!!!」
「えぇ、また遊びに来てね!と言う訳で、これからもチャンピオンは私が務めさせていただきます」
天雅は元気に手を振り、シロナも笑顔で手を振った
そして天雅はリーグの外に飛び出すと、駿羽を出して空へ舞い上がった
「マスター、何処へ行く?」
「とりあえず、今まで行った場所を巡って寄り道しながら帰ろうぜ!!」
「あ、いいねそれっ」
天雅の提案に、駿羽は嬉しそうに羽ばたいて速度を上げる
「みんな、元気にしてるかなぁ……………」
すると天雅の頭の中には、これまで出会った人達の顔が浮かんでくる
「楽しみだな…………!!」
天雅はそう呟き、これから始まる長い寄り道に心を弾ませ
ポケモンリーグを背に、自分の故郷へと戻って行くのだった
3/3
prev next.