「イワーク、お疲れ………まさかお前までやられるなんて。でも僕にはまだ主砲がいる…………!」
ヒョウタは自分に言い聞かせ、最後のモンスターボールを握り締める
「(最後の一匹は何だ…………?)」
「僕の最後のポケモン………行け!ズガイドス!!」
ヒョウタの三体目は、ずつきポケモン・ズガイドス
「ズガイドス…………それなら俺は、炎神!!」
そこで天雅は強羅をボールに戻し、フィールドにヒコザルの炎神を出す
「ヒコザル対ズガイドス、試合開始!!」
ジム戦の行方を決めるであろうバトルに二人のトレーナーと二匹のポケモンは、一瞬視線をぶつけたかと思うと攻撃の構えを取る
「ズガイドス、『ずつき』!!」
「炎神!『かえんぐるま』!!」
序盤から激しい頭突きと炎が飛び交い、フィールドに重い音が響く
「ズガイドス!そのまま『がんせきふうじ』!!」
「何っ!?炎神後ろに退け!!」
しかし天雅の指示が間に合わず、炎神は相手の『がんせきふうじ』によって動きを封じられてしまう
「うぅっ………動けないよ……!」
「『しねんのずつき』!!」
だがヒョウタはジムリーダーとして手加減も容赦もせず、ズガイドスへの的確な指示に隙は無い
「炎神、『ほのおのうず』でガードしろ!!」
そこで炎神は『ほのおのうず』で周りを包み、燃え盛る炎の壁にタイプ相性のいいズガイドスも思わず足を止めてしまう
「今のうちに『なまける』で回復するんだ!!」
そして炎に守られている間に『なまける』を使って炎神の体力を回復しようと試みるが、相手はそれを許してくれない
「いい指示だけど無駄だよ!ズガイドス、『すなあらし』で炎を吹き飛ばせ!!」
ヒョウタの指示を受けてズガイドスは『すなあらし』を起こし、フィールドに渇いた風と砂塵が吹き荒れ
それによって炎神の周りを包んでいた『ほのおのうず』が消され、ズガイドスが突っ込んで来る
「ズガイドス!『しねんのずつき』だ!!」
「うわぁっ!?」
「炎神っ!!」
目の前の障害を吹き飛ばしたズガイドスの『しねんのずつき』は、炎神を押さえつけ囲っていた岩を破壊し強烈な一撃を浴びせた
「大丈夫か!?炎神!」
「う、うん………何とか………っ」
砕けた岩の破片と共にフィールドへ吹き飛ばされた炎神は、覚束ない足取りでなんとか立ち上がるがかなりの体力を消耗している事が分かる
「あれだけ攻撃を受けてもまだ立てるなんて…………その精神力には敬服するよ。でも、もう終わりだ!『ずつき』!!」
「炎神っ!!」
タイプ相性を恐れず、格上のズガイドスに真っ向から挑む小さな炎神にヒョウタも感服せざるを得ないが
ジムリーダーとして全力で相手を倒す事こそ礼儀であり、今この瞬間もそれは彼の中で揺らぐことはない
しかしここまで二勝し流れを引き寄せている天雅達も、負けられない想いは同じである
「大丈夫、絶対………負けないからっ!!!」
「炎神……よし、行けぇーっ!!!」
炎神の覚悟を受け止め天雅が叫ぶと、炎をちらつかせズガイドスに向かって駆け出す
するとそんな炎神の体が神秘的な光を放ち、姿が変わり始めた
「炎神っ!!?」
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