「あれー?無ぇなー」
これから多少なりとも危険が付きまとう場所に踏み込もうというのに緊張感が全く無いので、気を取り直してビルの前まで向かうと天雅は入り口の前で何かを探している
「何探してるんだ……?お前」
追い付いた強羅が嫌な予感がしつつ尋ねてみると
「インターホン」
という突拍子もない答えがかえってくる
「有るわけ無いだろ、何に使うつもりだ?」
「そりゃ、ピンポ〜ンって鳴らして……お邪魔しまーす、って言う」
「必要有るか」
長年一緒なだけあって、天雅の斜め上をいくアホな発言にも強羅はすぐにツッコミを入れてくる
「だってピンポン押してお邪魔しまーす、って言うモンだろ?普通」
「普通はな」
「何だよその言い方、俺が変だって言いてぇのか!?」
「実際変だろ」
「!!!」
「ちょっと強羅!言い過ぎだって!!」
強羅の言い方にあまりにも刺があるので駿羽が思わず声を上げると、天雅は一瞬肩を落とし
「……………分かった」
「兄者?」
「インターホンは諦めるから、代わりに……お邪魔しますは言う!!!」
またしてもぶっ飛んでいる答えに炎神と駿羽の声が重なり
「「そっちっ!!?」」
「それ以外に何かあるのか?」
流石にツッコまざるを得ない二人に、天雅はけろっとして答えた
「二人とも覚えておけ、天雅はそういう奴だ」
しかし強羅は慣れているらしく、多少頭を抱える程度で特別驚いてはいなかった
むしろこの程度で頭を悩ませていたら、天雅と共に過ごすのはまず不可能である
「なぁ強羅。お邪魔しまーす、は言ってもいいんだろ?」
「いいぞ」
「ありがとな」
「あぁ」
急に機嫌がよくなった天雅と、その笑顔にツボを刺激されている強羅
一方炎神と駿羽は気分の変わりやすい主人に、すでに気疲れしていた
「………あ」
「どうした強羅?」
「いや……良い作戦が浮かんだ」
「?」
.
2/7
prev next.