冨岡は女心に疎いため、こういう時どうすればいいのか全く分からなかった。他の男だったらどうするのだろうか。どうすれば#name1#の涙を止める事が出来るのだろうか。
「…何で今キスしたんですか」
…違ったのだろうか。涙は止まっているが、#name1#は実に不思議そうな顔をしている。
「…お前は、いつもキスする時嬉しそうだから…」
キスをすればお前が笑顔を見せてくれるのではないかと思った、と言おうとしたが、何だか急に気恥ずかしくなって言うのをやめた。
「だからって、いきなりキスするって。もっと他にあるじゃないですか。どうしたのって声かけるとか…」
「す、すまない」
どうやら俺は間違った選択肢を選んでしまったらしい。肩を震わせる#name1#は怒っているのだろう。
あぁ、俺にもっと知識や経験があれば良かったのだが。#name1#と結婚出来たのも奇跡のようなものだ。自分に不相応な妻を娶ってしまったから、その罰が当たったのだろう。
「…あはは!ほんと、義勇さんは口足らずで面白いんですから」
目尻に涙を浮かべる#name1#は何処か楽しげであった。
「私もいじけてしまってごめんなさい。ご飯にしましょうか」
「#name1#、その…」
「…後で、お話聞いてくれますか?」
「あぁ、勿論だ」
自分は女心に疎いし、これからも#name1#を困らせてしまう事があるかもしれない。
それでも彼女が笑顔を見せてくれるなら何だってしてやる、と思ったのだった。