まつ毛の縁で恋を語る



幼馴染というものは厄介だ。

気が付いたときには傍にいて
理由もなく隣にいられる。

下手くそな言い訳も何もいらない。

だからこそ

「ディアッカはなんで私の隣にいるの」

意味を尋ねたくもなる。

「は?」

休日の午後、アカデミーの宿題を片付ける私の背後で、私のベッドを占領していた幼馴染が雑誌から顔を上げる。

「なんで、って何。意味が必要なわけ?」

意味もなく、隣にいてくれるのだとしたら、こんなに幸せなことはないし
こんなに不安なこともない。

「だって・・私たち、もう子供じゃないし」
「子供じゃないなら何だよ。」

ディアッカはそれだけ返すと、再び雑誌へと視線を落とした。

こいつは知らないんだ。
こうやってディアッカが寝転がったあと
ディアッカのコロンの香るこのベッドで眠るとき、私がどれだけ切ない気持ちになるか。

隣のクラスのあの子が、ディアッカのことを好きらしい、と聞いたとき
どれだけ不安な気持ちになるか。

「ディアッカはさ・・いないの?好きな人」
「・・・おまえ・・今更聞くか?」

あんたのその呆れたような視線だとか
それでも優しい声だとか

不意に私の髪をいじりだす指先だとか

「言ってくれなきゃ、わからない。」

ねぇ、私はあんたの特別でしょ

幼馴染としてだけじゃなくて
一人の女として

「なんで?」
「なんで、って・・」

わからなくなるもの。

あんたが他の女の子と笑い合っているのを見るたびに胸が締め付けられて。
その後私の席まで話かけにくるたびに泣きそうなほどほっとしたりして。

あんたに向けられるその視線に、特別なものを感じているのは、私の勘違いじゃないかって。
わからなくなる。
自分の願望と、現実が。

私が一人悶々としていると、ディアッカはベッドを降り、私の隣へと腰を下ろした。
そのまま、真っすぐに瞳が合う。

「おまえは?」
「私は・・・」

いるよ、いますよ、好きな人。

ずっと隣に、今目の前に。

「好きだろ、俺のこと。」
「だからあんたのそういうところが・・・!」
「俺のそういうところが、なんだって?」

ディアッカが意地悪な顔をしながら、私の口元に耳を寄せる。

ずるい。

わかってるくせに。

いつもそうだ。

いつも私ばかりが振り回されて、乱される。

仕方ないじゃない。

目の前に寄せられた形のよい耳も

一年中焼けたこの肌も

「言いたいことがあるなら言えよ、なぁユイ」

すべてを見透かすアメジストの瞳も

全部全部

「好きで、好きでたまらない。」

思わず飛び出た言葉にはっとして口を押えるけれど

出て行った言葉はもう回収は出来なくて。

火照る頬の熱に耐えきれずに俯こうとする私の顔は、暖かな両手に引き上げられた。

「ディアッ・・カ・・?」
「やっとかよ・・・」

コツンと合わせられた額が熱くて

頬に添えられたままの両手も熱くて

見えるのはあなたの長いまつ毛だけ。


まつ毛の縁でを語る


ねぇお願いだからさ

そろそろ私を安心させてよ


















***あとがき***

ディアッカ夢が読みたくて読みたくて
でも最近どこを探しても自分好みのSEEDサイトが見つからなくて・・・
自分で書いてしまいました。笑

しかもプロットなしの衝動書き 笑笑
思うがままに言葉を並べただけっていう 笑

うちのサイトSEED需要少ないのにね・・・笑

どなたか気に入ってくださったら、ぜひぜひ一言コメント送ってくださいませ〜
読んでくださる方がいらっしゃるのであれば、SEED短編もたくさん書きたいです。

2020.03.01


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