*白夜ルート
ジョーカーは有能な執事だ。過保護な面もあるけれど、そんな彼に何度も救われている。
血の繋がりがないとはいえ、一緒に育った兄弟達を敵に回す決断をしたあのときだって、彼は迷うことなく此方側へついた。
暗夜王国はジョーカーが生まれ育った場所で、白夜王国には何の縁もない筈なのに。
生まれた国とはいえ記憶にもない、知らない場所へ行くことへの不安はあった。付き合いの長い執事のジョーカーが共にいてくれる、ただそれだけのことで安心してしまう自分は単純だろうか。
「ジョーカーさん、私と共に白夜側へついたこと、あなたは後悔しないのですか?」
「私はカムイ様に忠誠を誓っております。カムイ様が白夜を選ばれたのなら私はお供するまでです」
主君を守るのに何を後悔する必要がありましょうか、なんてきっぱりと言い切る姿は彼らしい。
きっとジョーカーは自分の意思で――これからもカムイ様にお仕えしたい、と願ってくれたのだ。その結果、暗夜にいる知り合いと敵対することになったとしても。
「私はジョーカーさんのような執事と巡り合えて幸せですね」
心から、そう思った。
もしかしたら、もう彼がいないと生きていけないかもしれない。