(5)
「観光名所じゃなくても、いい出会いはあるね」
「…そうね。デザート食べたら次はどうする?」
「お会計の時にオススメを聞いてみようよ。今日は探検だッ!」
「路地裏とか歩くの好きだもんね満夜は」
「ちげぇよ!?あれは」
「猫と戯れてたんだもんね〜?小中と動物好きで有名だったよ」
「いや…まぁ、悪い意味で有名だったね。変人扱いされてたから。とにかくかわいいは正義!あの時のぬこの肉球は…ん?」
熱心に自分の出会った猫について語ろうとしていた満夜だが、ふと窓の外に気になるものがあったようでそこを見つめている。渚沙も釣られて同じ場所を見ると。
「あのブロンドの人、すごい髪キレイ!」
「あ、本当…羨ましいわ。トリートメントなに使っているのかしらん?」
「渚沙。その口調、なんかからかってない?」
「いんやぁ〜?満夜もお洒落に気を使うようになったのねェ〜って思っただ・け!とうとう好きな人でも出来た!?」
「いねぇよ。ただ親とかが見合い押し付けてきてウザイだけ。…まぁ、それなりにお洒落はしようと思うけど」
その言葉に、渚沙は目を輝かせた。
「あ!じゃああの人ナンパしてきなさいよ!今の満夜服装と髪型で男みたいだから!」
「もう一度病院行く?」
「スイマセンゴメンナサイ!で、でももっと現地の人と会話してみたいなぁ〜…なんて。多分あの人女性だし、こっち側がナンパされないし」
「…」
「なんかあったらすぐ呼ぶから!大丈夫よ!」
「私の精神テンションが大丈夫じゃあないんだが……あ」
「あ!」
先程の通行人が男二人に話しかけられている。
先を越された!と渚沙が叫ぶ。が、どこか様子がおかしい。
「あの人松葉杖ね」
「腕、掴まれているね」
「私他人の振りしとく?」
「うん。じゃあわた…"俺"、ちょっくら彼女を…"ナンパ"してくる」
「わかったわ!後で連絡してね。夜までには帰ってきてね、ダーリン?」
「あぁ、行ってきます…ハニーって言わなきゃダメ?」
「ダメ」
「分かったよ、ハニー…あぁもうマンマミーヤ!」
「あはは!」
ぎゃあぎゃあ言いながら満夜は店主に事情を話し、止められたが会計はキチンとするから大丈夫、とそのまま店を出て行った。
「あの子、大丈夫かな…怪我しないといいんだが……」
「あぁ大丈夫です。強いですから。…実は、彼女は忍者なんです。お金はあるのでご心配なく」
「あの噂のジャッポーネにいると言うニンジャ!?…後で絶対サインもらうぞ!」
親友が店主に間違った日本の知識を教えていると知らず、満夜は店から出て、悠々と街を歩き絡まれている人の元へとたどり着いたのだった。
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