03


めげない。折れない。諦めない。
"主人公"としても、日々同じ場所で生活を共にすることで見えてきた人柄でも、偲は彼が好きだ。
元気をもらえることもあるし、自分より年下だとしても見習うところがある。


「今日から『黒の暴牛』に入るハージ村から来たアスタです!!よろしくお願いしゃァァーーす!!!」
「キミのとっておいたプリン美味しかったなー」
「それがテメーの最後の晩餐だぁあーー!!」
「もぐもぐもぐもぐもぐ」
「あ〜〜〜〜知らないオッサンと呑み勝負したとこまで覚えてるんだけどな〜〜〜〜〜〜」
「いい加減にしろよテメー等ァァ!テメーらゲスの騒音が妹に聞こえたらどーすんだボケェェエ!!」

(全っっ然聞いてね〜〜!!)

緊張しながらも歩を進め、今日から仲間になるであろう人達に大声で最初の挨拶をかましたアスタ。
しかし、騒音は止まない。

「プリンの仇ィイイーーッ!!」
「アハハハハハ!」
「あ〜〜もううるさいわねー頭に響くじゃないのー!」
「うるせーのんだくれハレンチ女!」
「何ですってこの童貞不良!」
「童貞じゃねーし!」
「アレレ?よそ見してたら殺っちゃうよォ〜〜?」
「もぐもぐもぐもぐ」
「我が女神である妹の名の下にオレがキサマらを殺る」

騒動も、咀嚼音も止まなかった。

《個性のドッチボールすげぇ…》
《ホントね…》

しかし、このままだと全員が暴れ始めようとするのが分かったのか。
様子を見ていたヤミはタバコの煙を吐き出すと。

「テメーら…物壊してんじゃねー!」

すぐ側にあった壁を魔力を帯びた拳で叩き壊した。
瓦礫がポップコーンのように弾け飛ぶ。

((思いっきり物壊してるー!!?))
《がっつり矛盾してるぞ》
《だよね…》

偲とアルは呆れていたが、ピタリと騒動は止まった。

「お勤めご苦労様っすヤミさぁぁぁあん!!!」
「団長コレ美味しいよ〜〜」
「お帰り団長!」
「団長ちょっといいっスか」
「ヤミさんに調子こいたヤツはいませんでしたかァ!?いたらブッ殺して来ますんで!!」
「団長──!今日こそ僕とヤろうよォ〜〜」
「フシュー」
「こんなガキ共ほっといて私と呑みに行きましょ〜」
「ねぇねぇコレ!コレ食べてみ?」
「すみませんもう限界なんで妹に会いに行っていいっスか?」

今度はヤミの元に集まり、一斉に話始めた。

《《託児所か此処は》》

「はっはっはっはっ!そうかそうか、オマエ等そんなにオレが好きか。だがうるせー」
「「「「「すみません」」」」」

《いいねぇ。教育が行き届いてんな》
《そ、そうなの…?》

不機嫌そうな声色に、騒いでいた団員達はすぐさまヤミに謝罪する。
見事な正座だった。

「え〜…このチンチクリンと平和ボケが新人団員だ。死なねー程度にシゴいてやれ」
「ハージ村から来たアスタです!!よろしくお願いしゃァァーす!」
「同じく、ハージ村から来たシノブ・アマチです。よろしくお願いいたします」

なんやかんやありながら。アスタは2回目の挨拶を、偲は初めての挨拶をこうして終えた。

(ええぇぇぇ…紹介雑っ!)
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