07
箒のバランスコントロールを止め、落下と少女を掴むことのみに集中した偲。
華奢で細い手を握り引っ張る。彼女は見事、少女を抱きかかえることに成功した。
「よっしゃあああああっ!!」
「きゃぁぁああああああっ!?」
「ずぉわぁああああああああっ!!」
「空間魔法"堕天使の抜け穴"─!」
落下点に開かれた空間魔法のおかげで、偲等は無傷で地面に着く。
「っしゃァアアアア生きてたぁ────!!空間あざぁああす!!!」
「あざーーーす先輩!!」
「よくやった小僧」
「──…うすっ!!」
ヤミに嬉しそうに返事したアスタに、地面に横たわり雨のように降る魔法の水を浴びる偲も笑顔になる。
「あっ!オイオマエ!」
びくりと伏せたまま肩を震わせる少女に、偲は目をやった。
手を握りしめている彼女は小さく震えていた。
「なんちゅー魔力持ってんだよ!すげぇーな!」
「え…」
「オレ魔力無いから羨ましいぞチクショォオ!」
本気で羨ましがるアスタは続けた。
「特訓して自在に扱えるよーになれば、オマエ無敵だな!オレも負けねーように頑張んねーと!」
笑顔で張り切る姿が眩しくて。馬鹿にされないことに驚いて。少女は目を見開いた。
「何だ。魔力のコントロールが出来ないのか」
「私も魔力のコントロール苦手です!」
「は?さっき出来てただろ」
「本当は魔法使うの怖いです!」
「自慢げに言うことかっ!!」
ゴホン、と咳払いしマグナが告げた。
「オレ達は出来損ない集団『黒の暴牛』だぞ。テメーの欠点ごときどーってこたねぇんだよバカタレ」
団長含め誰一人として反論は無く。少女を気遣う言葉が後から掛けられる。
アスタから差し出された手を掴んだ彼女の目は、涙で滲んでいた。
「…よろしくお願いします」