(2)
「何これ?」「どうしたの?」
「いやあのね、本にある模様が…」
「あ!お姉ちゃんも葉っぱの枚数多いね!」
「うん。七枚もあるね」
会場は一瞬にして静まり返った。
「え?」
「な、なっ…七つ葉だぁぁあああ!!」
「スゲ〜ッ!」
「今年はどうなってるんだ!?」
「誰あの人?!」
「お近づきになりてぇ…」
「え?え?」
本人を置いてきぼりに今度は盛り上がりだしたオーディエンスに困惑する。
(何がなんだかさっぱり分からん。神父様は狂喜乱舞してるし。つーか五枚目には悪魔が潜むんじゃないの?危険性ヤバくね?変なことしてきたらソッコー燃やそう)
ビクリと本が震えた気がしたが、気のせいだろう。
偲はシスターや子供達に聞いてみた。
「葉っぱの枚数増えたら何かスゴいの?」
「あのね、さっきユノ兄ちゃんが授与された四つ葉の魔導書は初代魔法帝が使ってたもので。『幸運』が紛れ込んでいるの!」
「ふむふむ」
「でも、七つ葉の魔導書はもっとすごいの!」
「はぁ…?」
レッカは興奮して頬っぺたを赤くして話す。
「五葉に『財運』、六葉が『地位と名声』。そして七葉は『無限の幸福』を宿しているんだって!」
「その魔導書を持っていた人は初代魔法帝の相棒とかお嫁さんとからしくて。絵本で皆読んだことあるんだよ!」
「本によって違うけど、七つ葉のクローバーが刻まれた魔導書は持ち主の願いを叶えたり、周りを幸せにしてくれるんだって」
「へぇ〜…今すぐ家に帰りたい!」
「「!?」」
突如叫んだ偲に子供達や周りは驚いた。
「えぇー…願い叶えてくれないじゃん」
「それで叫んだの?」
「うん。うまくいかなかったけど…教会に帰ったら魔法の練習付き合ってくれる?」
「いいよ!」
和気あいあいと話している間に授与式は終わり、彼女等は帰路に着く。
途中知らない輩に何度も話し掛けられたが、偲はシカトした。
(あれ?何か忘れてるような…)
「あ、ユノ君。ちょっといい?」