(4)
「き、昨日はごめんなさい!せっかく迎えに来てくれたのに怒鳴っちゃったし…」
「お前シーザーに怒鳴ったのか!なかなかやるなぁ。だからシーザーちゃん昨日から元気が無いのね〜」
「ジョジョ!余計なことを言うな!」
「え」
思わずシーザーの見つめると、彼は居心地悪そうに身じろぎした。
「…」
「す、すいませんでした」
「昨日‥と思った」
「はい?」
「嫌われたかと思った…」
自分で言って落ち込んでいるシーザー。
「いやいや。嫌われたのは、私じゃないんですか?」
「「「ハァ!?」」」
「リサリサ先生が、今ハァ!?って…」
「シーザーてめえ!」
波紋疾走!とジョセフがシーザーに襲いかかろうとするのをリサリサがスカーフで首を絞めて阻止。
「落ち着きなさい。…名前。何故そう思ったのか説明してくれないかしら」
「シーザーが、私と会話する時だけ、いつもため息を吐くんです。お兄ちゃんもスージーQもリサリサ先生も、…他の道行く女性にも普通に会話するのに…」
「…」
ジョセフがシーザーに青筋を立て始める。
ジョセフはシスコンの気があるわねと思いつつ、リサリサは名前に話の先を促す。
「ここのところそれが頭の中をグルグル回って…それに気づいていたお兄ちゃんに相談したけど、会話も億劫になって。昨日は焦って話しかけてくれたのに逃げちゃうし」
「それから?」
「ベンチに座って自己嫌悪して。私暗いしガサツでおしゃれもしないし。修行も、もっと強くなりたくても捗らないし…こんな女としても波紋戦士としても中途半端な奴に好意を持たれて、め、迷惑だろうなって。後ろから話しかけられた時怖くなって…思わず怒鳴っちゃって」
シーザーはようやく気づいた。
「こんなに好きなのに」
相手は自分だったのだ。
自分に嫉妬して彼女を問い詰めて。
「シーザーの自業自得じゃねえか!ザマァみろ!」
「お黙り」
ジョジョの言うとおり。自分で自分の首を絞め、好きな女性を苦しませていた。
「マンマミーア…」
彼女が、自分を好きでいる事実に。歓喜に震える。
「名前」
肩が跳ねる彼女。
恐る恐る此方を見る潤んだ目が、俺を映している。
(不安がらせてすまなかった。)
他のシニョリーナのように言葉が浮かんでこないんだ。
ぴったりの言葉が見つからない。君を前にするといつもそうだ。
「名前」
「好き、です」
「名前…!」
「好きだよ。シーザー…うわぁ!」
気持ちが通じたことに我慢が出来ず、シーザーは彼女を自分の腕に閉じ込めた。
「ひゃああ!」
「ありがとう!俺の天使!!」
「離せシーザー!名前はオ・レ・の天使だ!」
「おいおい嫉妬かよお義兄さま」
「ムキィーー!!」
バタバタ走り回り始めた弟子たち二人を見つめ、リサリサは笑いながらため息を吐いたのだった。
fin.
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