第12話 『すれ違い』
「おっはよーなり〜。」
2連休も終わり、久しぶりの執務室。
まず出迎えてくれたのは…
「あだ名たん―!!」
ヒュウガだった。
「いや、あなたには昨日会ったから。」
全然嬉しくないっす。
それより私の癒しのクロユリは何処?!
「名前―!」
「クロユリくーん!!」
なんだろうねぇ。
休日よりも癒されるこの子の存在。
一家に一人は欲しいね!
「お土産は?」
「あう!ごめんねーお土産はないの。また今度買って来るね。あ!それともクロユリもエr…」
ビシッ!!
「……」
やだなー
ヘンな汗がでてきちゃったよ。
「『え』、何?」
クロユリ君!続きを催促しないでほしい!
「え…え…絵本、とか??」
「ボクそれよりマグロキャンディーがいいな。」
マグロキャンディーね。
…あるかなぁ(汗)
「あだ名たんったら結局オレに押し付けちゃって…今晩一緒に見る?もちろん、オレの部屋で☆オレ欲情しちゃうかも♪そしたら慰めて…」
「そんなもん己で処理しやがれ!!」
ひさしぶりのセクハラ発言はあまりにもひどすぎだ!!
私はヒュウガの足下を軽く脅すつもりでザイフォンを発動させた。
が。
ドゴンッ!!
またやっちまいました。
やべ!
ヒュウガ殺しちゃった?!
「軽くのつもりだったのにぃ!!ヒュウガが死んじゃったぁー!!」
目を真ん丸くさせているコナツに抱きつく私。
「えー勝手に殺さないでほしいなぁ…。」
「…ヒュウガ……。死んでなくてよかったぁー!」
次はヒュウガに抱きついた。
「はいはい、悲しんだり喜んだり忙しいねー。」
「うぅ。」
「名前さん…。」
「何、コナツ。」
コナツに返答したのに、返ってきたのはアヤナミさんの声だった。
「なぜお前がザイフォンを使える。」
…あれ?
ザイフォン知ってるの?
チェッ。
驚かせようと思ったのにさ。
「教会で教えてもらったの。まだあんまり制御できなくって…教会のアスレチック、粉々にしちゃったんだよね〜☆」
ほんと、ラブさんごめんなさい。
「教会で…?」
「そうだよ!寝ずに特訓したんだ。」
「2日で…もうそれだけ使えるんですか…。」
コナツが驚いた表情を見せる。
なんかおかしいかな?
「そうだけど…。ザイフォン知ってるってことは、皆も使えるの?」
「使えなかったらブラックホークにはいないよ。」
「そっかぁ。じゃぁさ、もっとザイフォン教えて欲し、」
「名前。」
ヒュウガに詰め寄っていたら、アヤナミに制された。
「ザイフォンはもう使うな。」
へ?
なんで??
「ど、どうして?!」
「私が使うなと言っている。私に二度も同じことを言わせるな。」
なんで?
なんで?
強くなりたいって思っちゃダメなの?
さっき私のザイフォンをヒュウガが怪我一つなく避けた。
周りの皆も驚いてはいたけれど、それは私がザイフォンを使えるからであって、ザイフォンに驚いたわけじゃない。
ザイフォンを使えるようになってからだけど…
なんとなく、ここの人たちが強いってわかった。
きっと、私より、テイトより、はるかに強い。
だから教えてもらおうと思ったのに。
どうしてダメなの?
「でも…!」
「なら問おう。何故お前は強くなりたい。」
最初は…
魔法みたいでかっこいいなーっていうのがきっかけだった。
けど、今は
「もっとみんなの役に立ちたい。」
雑用や清掃だけじゃなく、もっと、みんなの近くに立ちたい。
「…却下だ。」
なんで?
なんでなの?!
理由ぐらい言ってよ!!
頭の中がグルグルする。
アヤナミさんなんて嫌いだ!
「…わかった。」
次の日、私は久しぶりに熱を出した。
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