あとがき




片恋い、いかがでしたでしょうか。

『片恋い』は私がつけた題名ですが、各話の題名はXXX-title様よりお題をお借りしました。


01.猫の声
02.飴玉
03.手
04.まどろみ
05.背伸び


という、この題名を見た瞬間、ヒュウガ夢でこのお話が思い浮かびました。

ハッキリ言って、内容的には浅いです。
そういうお話を目指したので。

浅い中にも流れがあって、あっさりと書くことができました。
一日で書き上げることが出来て、私もビックリです。

ちょっと人よりテンポがずれている主人公ですが、最後まで可愛がってあげてくださいませ。


それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
また次回作でお会いしましょう!










〜After that〜




オレは自室のソファに座っていた。


そろそろあだ名たんがくる時間だと待っているのだが、今のところまだ来ていない。

まだかな〜まだかな〜、と心待ちにしている自分に内心苦笑する。

でもやっぱり気持ちが急く。
早く会いたいなーとか、思ってしまう自分。


そうしていると、ネコがオレの足に擦り寄ってきた。

最初の頃に比べるとよく懐いたものだと思う。


「よしよーし。」


抱き上げて膝に乗せると頭をなでてやる。


「ニャァ」と鳴く猫にはちゃんとした『ネコ』という名前がついてはいるが、あだ名たんがいない時には「名前」と呼んでいたりする。

それはあだ名たんには内緒だけれど。


可愛いところも、あだ名たんの日焼けをしていない白い肌と、ネコの白い毛並みは何だかそっくりだ。


「名前〜、お風呂入ろーか。」


拾ってから一度もお風呂に入っていないネコは怪我をしているというのもあったが、ネコはどうやら水嫌いのようで、前に一度チャレンジしたが、引っかかれ、噛まれ、散々だった。

あの時はまだ懐いてくれていなかったけれど、今はどうだろうか。


落とさないように抱っこして、風呂場に行く。

怪我もだいぶ治ってきたし、もう水を被せても大丈夫だろう。


オレはネコに丁寧に温めのお湯をかけて、洗剤でゴシゴシと洗ってやる。
ネコは最初こそは嫌がったものの、洗い方が気持ちいいのか、急に大人しくなった。


「名前とお風呂もいいけど、あだ名たんとお風呂はいりたいなー。」


一人で呟くと、ネコも同じなのか、『ニャァ』と一回だけ鳴いた。


足、頭、腹と洗ってやりながら…


「あ、……」


オレは小さく呟くと手を止めた。

股間に何かがついている。


「……こいつ、男だ…」


真っ白い毛並みと可愛さに騙されていた。


「ヒュウガ少佐ー?いますかー?」


ネコの洗剤を流し終えた所で、あだ名たんがやって来た。

あだ名たんの声に真っ先に反応したネコは浴室を濡れたまま飛び出す。

オレも慌ててネコを追った。


男と知った今、あだ名たんと二人きりになんかさせるわけには、同じ男として許せない。


あだ名たんの足に擦り寄ろうとするネコの首を容赦なく掴んで、ベッドの方へと放り投げた。


「いらっしゃい、あだ名たん♪」

「こんにちは…ヒュウガ少佐。あの…今、ネコ…」


投げましたよね?と目を丸くするあだ名たんをソファに座らせる。

オレはネコの上に大きめのバスタオルをかけ、あだ名たんの横に座った。


「あ、あの…」

「今ね、ネコお風呂に入れてたの☆濡れてるから触っちゃだめだよ♪」

「じゃぁ私、拭いてあげ、」

「あぁやって体乾かすのがネコ好きなんだ。拭いてあげたら怒るんだよ〜♪」

「え、でも、ものすごく鳴いてますけど…。」

「歓喜の声だね☆」

「…はぁ…。そうですか…??」


疑うあだ名たん。

仕方ない、これ以上続けるとバレそうだ。


「さ、もういいかな♪」


ネコの上に被さっているバスタオルを取ってやると、飛びつかれて、思い切り引っかかれた。



―Eternal live happily―

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