あとがき
『サラリーマンな彼とOLな私』、こんな切ないお話の中最後まで読んで下さりありがとうございました!
パラフィリアシリーズの『堕ちる天使』『星降る夜』と結構暗い内容が続いていたので、今回の話は絶対に明るく楽しく笑えるのを書こう!!と思った作品がこれです。
もうどこに明るさと楽しさと笑いがあるのやらさっぱり。
第1話を書いた段階で「あれ…?なんか暗いぞ??」と思わず呟いてしまったほどです。
ハッピーエンドなのは毎度お馴染み変わりませんが、『堕ちる天使』ぐらいから気持ちが暗い方へと引っ張られたまま入れ替えできていないようです。
過去編は明るくて楽しくて笑いがあって甘いのを!!と思っております。
この作品は二部構成にしようと思っております。
この『現在編』から始まり『過去編』へと戻ろうかなと。
この現在編が、ヒュウガと別れてから寄りを戻すまでのお話だったのに対して、過去編ではヒュウガとの出会いを。
まだ2人が『サラリーマン』『OL』と偽っている時期で、ハラハララブラブな感じを書けたらなぁと思っております。
過去編ではサラリーマンを装っているヒュウガをぜひお楽しみください(笑)
〜After that〜
「ヒュウガ少佐、一つ質問いいですか。」
姉の式場に向かって貰いながら私はホークザイルを運転中の彼に聞いてみる。
彼は『少佐』と呼ばれたことと敬語が気に喰わなかったらしく、「普通に呼んで」と横目に見られてしまった。
『あ、ごめん。』と謝ろうと思ったが、しかしよく考えてみると私が彼を『少佐』と呼ぶのは彼が少佐で呼べと言ったからに他ならない。
何だか理不尽さを感じて、私はもう一度「ねぇ少佐」と呼んだ。
「ねぇ名前、それ嫌味?」
「うん、まぁ少し。」
彼にしっかりと私の言いたい事が伝わっていたようで、だからその呼び方止めてと肘で肩を突かれた。
これ以上は危険だ。
きっと彼のことだから拗ねてちゅーしないと式場まで行ってあげない。なんて言い出しかねない。
私が風に靡く髪を手で軽く押さえながら「嘘だって。ごめんごめん。」と謝ると、「何か謝罪が軽い」とつっこまれてしまったが、そこは適当にスルーしておいた。
「あの、私一つ気になってたことがあるんだけど、」
数日前の出来事を思い出す。
コーヒーを手渡そうとした時も、鳩を散らすように歩いている時もそうだったけれど、
「何で最近私に触れてこなかったの?」
あのあからさまな避け具合は結構堪えた。
そりゃぁ私が悪かったけれど、あれはあんまりじゃないかと思うわけで。
「触れたら…、」
ヒュウガは少しだけ呟いて口を噤んだ。
言いたくないのだろうか。
「私がいうのもなんだけどあからさますぎだよ、あれ。」
「だって…触れたら、手放したくなくなりそうだったんだもん。」
拗ねた感じで呟くヒュウガが少しだけ可愛くて、それでいて切ない気持ちになった。
私はヒュウガに知らず知らずの内にこんな切ない表情をさせていたのか。
「抱きしめて、キスして、押し倒したくなる。それから一枚一枚服脱がせて、あー目の前で脱いでもらうのもいいよねぇ。キスも名前からしてもらって、ついでに脱がせてもらっちゃおっかな♪あ、でもそれからはオレの独壇場だから安心して☆」
触られなくてホント良かったわ。
何だそのプレイは。
「…なんて、嘘。ホントは抱きしめたかった。」
前を向いて運転するヒュウガに、私は思い切り抱きついた。
「好きよ。」
「うん、オレも好きだよ。ずっと名前のことが諦めきれなくて、なのに毎日顔合わせるものだから想いは募るばかりでさ。オレってこんな諦め悪かったんだなぁって新しく発見した。」
「発見って言えば、少佐の時のヒュウガ、見れてよかった。カッコイイね。サボってる時以外はだけど。」
「惚れ直した?」
「惚れ直して前より好きになったかも。」
照れ隠しで『かも』とつけると、ヒュウガはギュウッと私を両腕で抱きしめた。
両腕で抱きしめ…、
両手で…
両手で??
「ちょ、ヒュ、ヒュ、ヒュウガ!ハンドル!ハンドル持って!!!」
「名前がちゅーしてくれたら、」
「そんなこと言ってる場合か!馬鹿ヒュウガ!!!」
―Eternal live happily―
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