端っこで


昼休み
購買混んでそうだねーだの
弁当食ったらサッカーしようぜだの
今日買った雑誌に可愛い服あったんだーだの
思い思いに昼休みを堪能している時

2年のとある教室では

「今日もラブラブだね」

「目の保養だわー」

「あ、見て笑ってる!」

「レアだね!可愛い!」

本人達には聞かれない程度の小声で
キャッキャキャッキャしている女子の一方で

「あんだけ周りに見られてるのに
気づかないなんて研磨のあの鋭い観察力はどーしんだよ」

「はは、確かにな!」

開けっぱなしのドアに体を預けながら
注目の的の研磨達を見ている
黒尾と夜久。

いつもは人目を気にする研磨達だが
2人一緒の時は、気が抜けてるいるのか
周りを気にしていないらしい。

2年の中では
癒されカップルと有名らしく
普段あまり自分から話しかけない〇〇が
研磨といる時は、色んな表情しているとあって
そのレアな光景を一目見たいと
違うクラスから来る人もいるようだ。

「あいつも、元は可愛いんだから
研磨だけじゃなくて、他の奴らににもあういう風にすればいいのにな」

「‥それって、クロにそうしてほしいんじゃなくて??」

「えっ」

「研磨ばっかりずりーって思ってんだろ」

「だってだってクロさんも〇〇と喋りたいんだもん!」

「それどこかの主将の真似か?」

「そ、最近ブーム」

「それ及川に言ったら次会った時怒られっぞ」

「やっぱり?笑」

研磨から彼女事〇〇を紹介された時
どーもと俺が挨拶すると
ビビったのか研磨の制服のシャツを握りしめながら、よ、よ、よろしくお願いします。、と小さい声で挨拶されたのを思い出す。

山本辺りがクラスに可愛い女の子がいるんす!と興奮気味で言っていたが
まさかその子が研磨の彼女だとは思わなかった。

人見知りの研磨が、どーやってこんな可愛い子が彼女になったのか
摩訶不思議だったが
初めて会った時の研磨によく似た雰囲気でなるほどと思った。

「おいクロ、目的ずれてるぞ」

「あーそーだった!よし行くか」

夜久が俺の背中にバシっと一発叩くと
顎で目的のあいつらの場所を傾ける。

うん、夜久くん背中地味に痛いからね
と目で合図して

研磨‥じゃなくて〇〇チャンに向かって歩き出した。



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