邂逅
恐る恐る振り返ると、大変にお怒りなご様子の大柄な体格の男子受験生が、ずんずんとこちらへ歩いて来ていた。
「ひっ…!?」
謂れのない怒号に怯み、足が止まる。それでも構わずやってくる彼に、オロオロとしながらも身構える咲。
なにこの「激おこ大柄男子」!身構えながら咲は心の中で手短に名付ける。
しかし、気合いを入れて颯爽と咲の横を通り過ぎて行った。
「……へ?」
「おい、待てっつってんだろ!お前だよ!この爆発野郎!!」
「あ゛ぁ゛?」
どうやら「激おこ大柄男子」がお怒りなのは別の男子受験生に対してだったらしい。咲はたまたまその「怒りの矛先君」の近くを歩いていただけだったようだ。
「触んじゃねぇ誰だてめぇクソモブが」
「お前一人でポイント取りまくりやがって!俺が落ちたらお前のせいだからな!」
「あ゛あ゛!?知るかよテメェの無能を人のせいにしてんじゃねぇ!」
目の前で繰り広げられる言い争いになんとなく合点が行く。
この二人、おそらく実技試験で咲と同じグループだったのだ。で、この「怒りの矛先君」は、あの「ポイント荒稼ぎ爆発君」なのだ。
「お前さえ居なけりゃ、俺はもっとポイント取れたんだ!」
「激おこ大柄男子」は、声と表情に怒りをにじませ、「爆発君」に
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