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ターバンに乗ってババとウーゴと共にドルジ達を追っていたアラジンは、その姿を見失ったことで移動を止めた。村の火が見えるところでドルジ達を待つことに決め、地面に降りて座り込む。そこでアラジンは黄牙の村に残る不思議な伝説を聞かされる。
「マギ」
アモンが自身をそう呼んでいた。理由も聞けずじまいで、その疑問がずっと胸に残っていたのだ。ババの話しを聞いてもその気持ちは晴れなかった。自分が何者か分からずに不安だったアラジンの心を見抜いて、ババは言った。アラジンは「ババの子供」であり「ウーゴとアリババ、ハルの友達」であると。
その言葉にアラジンは自身の胸の霧が晴れていくのを感じた。白瑛との会話を思い出してババに告げる。絶対に戦争は起きない。大丈夫。
ババがアラジンの姿に目を見張っていると、アラジンが遠くから近付く騎馬隊の姿を見つけた。ババは見えない目を向けて必死に祈る。どうか、どうか、子供達が無事であるようにと。
「ババ様―!! 全員無事です! 敵も一人も殺さず助け出しました!!」
ドルジの叫ぶ声に、ババは涙腺が緩んでいくのが分かった。馬を降りて駆け寄ってくる自分の孫娘をしっかりとその腕で抱きしめる。
ハルはその姿を見守って、誰にも気付かれないように小さく笑みを浮かべた。その後煌帝国に降ることを決意した村長の言葉に耳を傾け、命を守るために心の戦をしようと叫ぶその姿を見て、改めて黄牙の一族が高潔だと思い知る。この村を去れば次に会うのは戦場かもしれないなと考えながら、まぶたを閉じた。
ハルは愛馬と男衆と共に、歩いて村へ向かっている女達を迎えに行った。自身の前に同い年位の少女を乗せて中間地点へと急ぐ。そこでハル達が目撃したのは、火がついたまま放置された焚き火と荷物だった。異変に気付いて辺りを見渡すと、遠くからこっちに向けて駆けてくる人影が見える。首を傾げてその場で待っていると、走ってきたドルジは顔を真っ青にして叫んだ。ババ様が矢で射られた、と。