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アラジンとハルが出発してから数日。テントの中で休息を取っていると、アラジンが思い立ったように口を開いた。それは迷宮から脱出する際にアリババと話した約束のことだ。またアリババに会いたいと語るアラジンを見て、ハルが小さく頷く。いつもの鎧は纏っておらず、金糸が揺れた。

「なら、私はあなたをアリババのもとへ連れて行きます。そこで、私の役目も終わりですね」

ハルの言葉にアラジンが表情を暗くする。その変化に気付きつつも理由が分からず、ハルは首を傾げた。アラジンがハルの表情を伺うように見ながら言葉を探す。

「ハルさんも、一緒に行かないかい?」

アラジンはアリババや、ババとの会話を思い出しながら続けた。

「僕は自分が何者であるのかを知りたい。他にもたくさん知りたいことがあるんだ。まずはアリババくんに会いたい。―――そして、ハルさんのお兄さんの剣を探しに行こう!」
「!!」

ばっと立ち上がったアラジンの発言にハルが目を見開く。アラジンは真剣な眼差しで、瞳の奥をきらきらと輝かせ、座っているハルを見下ろしている。

「アラジン……」

ハルは視線を受け、悩ましげに瞳を伏せてから眉を下げて微笑んだ。

「ありがとう。けれど、その気持ちだけで充分です。剣の所在についての手がかりは無い。この旅に終わりがあるのかさえ、今の私には分からない。そんなものに、あなたたちを巻き込むわけには」
「僕とアリババくんの旅にも、終わりなんてないよ」
「……」
「ハルさんの大切なものを取り返そう。一緒に! 僕たちなら出来るよ!」

アラジンの言葉に、ハルは今度こそ根負けしたように項垂れた。再び顔をあげたハルの表情が明るいことにアラジンも笑みを浮かべる。

「では、改めて。これからもよろしくお願いします。アラジン」
「こちらこそ、ハルさん!」

これからの旅路に対するわくわくを隠せないようで、寝転がりながら語るアラジンを、ハルは微笑ましそうに見守る。

「剣を見つけたら、お兄さんのお墓へ戻すの?」
「ええ、そのつもりです」
「その時は、僕たちも行っていい?」
「勿論。歓迎しますよ」
「ハルさんの故郷はどんなところだろう。楽しみだなあ」

そんな日々が過ぎ、半年の月日が経った。舞台は西南の小国郡へ移る。