反則技

反則技



なんだってそんなに怒られなきゃならないのか。
私は不貞腐れていた。

昼休み、私が仲のいい男友達と話していた。
それが原因で私と衛輔は喧嘩をした。

いわく、ボディタッチされて、軽すぎるだろだそうだ。

嫉妬をするのはわかるけど、そんな言い方はないんじゃないか。
私は衛輔以外の男子に興味がないし、それは衛輔にも伝わっていると思っていた。

「はぁ、衛輔の、ばか」

誰もいなくなった教室で呟く。
今日は部活が終わったら、衛輔を待たないで先に帰ってしまおう。そんな思いを巡らしていた時だった。

「ミオ」

「!」

部活に行ったはずの衛輔が、教室に戻ってきていた。

「……私、行かなきゃ、え!」

席をたって、後ろのドアから教室を出た。
そんな私の手を衛輔は無言でつかむ。

「や、離して、あっ?」

少しの抵抗をした刹那、私は廊下の壁に追い込まれ、彼の両手が私の顔の脇を塞ぐ。
いわゆる、壁ドンだ。

私は何がなんだかわからなくて、うろたえた。
彼を見れば、至極真面目な顔をしていて、それがなんだかかっこよくて、顔に熱が集まる。

「衛輔、!?」

思わず彼の名を呼べば、彼の片方の手が私の顎をつかみ上を向かされた。
これはいわゆる、顎クイでは?
私はますます混乱した。
こんなの、反則だ。反則技だ。

「ね、ミオ。ミオは俺が嫌い?」

この体勢でのこの言葉。
ああ、本当にずるい人だ。

「ん、好き、です……」

言えば二人の唇が重なった。
こんな反則技を使う彼は、ずるい。


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優衣さまリクエストです。
夜久くんで恋人設定、嫉妬した夜久くんに壁ドン顎クイされるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


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