恋の悩み

恋の悩み




私には幼馴染みがいる。
夜久衛輔。彼は明るく人を惹き付けるタイプの人間だ。
だけど私はいつからか彼とうまく話せなくなっていた。

「ミオ、この前お前が好きな映画が……」

「うん、もう観たし。なにか用?」

そっけなく冷たく言えば、衛輔は次の言葉を言わない。
違うんだ、ほんとはもっと話をしたいのに。
それでも私は素直になれなくて、いつも親友に相談にいく。

「黒尾、聞いてよ〜」

黒尾は良き友だ。いつも私の恋愛相談に乗ってくれる。

「たく、ミオは不器用すぎだろ」




いつものように、ミオの恋の相談に乗る。
ミオは素直じゃないから、幼馴染みの夜久に素っ気ない態度をとる。
今日も今日でミオから夜久への思いを聞いていた時だった。

「すごくかっこよくて頼りになるし、すごくすごく好き……」

「なんだ、お前ら付き合ってたのかよ」

タイミング悪く夜久に聞かれたミオの言葉。俺に対して向けられたものだと夜久は勘違いしたようだった。

「俺、ばかみてえ……!」

そうして夜久は、俺たちから離れ走り出す。

「まっ、衛輔!?」

ミオは夜久を追いかけようとしない。
……いい加減、お前らくっつけよ。

「ミオほら、追いかけろって」

「でも……」

それでもミオは迷うように足を動かさない。俺はため息をつきながら言う。

「お前らふたりとも幸せになれよ」

俺の言葉にミオはようやく走り出した。




ミオと黒尾があんな関係だとはしらなかった。ばかみたいだ。俺はミオを知らなさすぎる。

「衛輔っ!」

昼休み、誰もいない屋上に逃げた俺を、ミオが追ってきていた。

「な、んだよ」

「わた、し、私、衛輔が、好き。です」

「は……?」

開いた口がふさがらない。なんで、なんで。

「私、素直じゃないから、衛輔に冷たくしちゃって……でも、私が好きなのは、衛輔だよっ」

目一杯張り上げられた声は上擦っていた。
最初は耳を疑ったけど、どうやらミオは本気らしい。
なんだ、俺。両思いだったのか。

ミオに手を伸ばし、抱き締める。

「俺も。俺もミオが好きだ。付き合ってくれ」

「……うん」

腕の中のミオは、笑いながら俺を見上げていた。



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優希さまリクエストです。
夜久くんで切甘です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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