匿名ラブレター
匿名ラブレター
「夜久! 今日もちっさいね!」
朝、私は部活終わりで教室に入ってきた夜久にいい、頭をポンポンと撫でた。
「な、小さい小さいうるせえよ!」
そんな私に夜久は怒ったようにいう。
「ほんとのことじゃん?」
「な、霜月この……!」
そうやって言い争うのはいつものこと。
私が何で夜久に意地悪をするのかと言えば、それは好きの裏返しなのだ。
だけど最近、私は夜久に匿名でラブレターを送っていた。
名前を書かずに毎日夜久のいいところを手紙に書き、下駄箱に入れている。
「誰なんだろうな、これ」
いつからか夜久の恋の相談に乗るようになっていた。
夜久は霜月が好きだったらしいが、最近他に気になる人が出来たそうだ。
夜久に毎日匿名でラブレターをくれる人がいる。
夜久はその人が気になり出しているようだった。
だから俺たち音駒バレー部総出でそのラブレターの主を探した。
「霜月だったとはね」
「黒尾くん……夜久には黙ってて」
健気にも正体を隠そうとする霜月の背中を押す。
「だけどいつかはばれるんじゃねえの? 好きなら好きっていっちまえよ」
俺の言葉に、霜月も心を決めたようだった。
匿名のラブレターをくれていた子と会う約束をした。緊張と不安が入り交じりながらも待ち合わせの体育館裏へいく。
「え、霜月?」
そこにいた人に一瞬戸惑うが、次には状況を理解して、霜月に近づく。
「ご、ごめんね。私でがっかりした?」
「……いや。むしろ安心した」
そうだ、俺は安心している。
霜月だったら良かったのに、心のどこかでそう思っていたのかもしれない。
「私、素直じゃないから……夜久が、好き」
「俺も、霜月が好きだ」
言えば霜月は今さらに驚いたように目を見開く。
綺麗な焦げ茶の瞳が揺れていた。
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優月さまリクエストです。
夜久くんで匿名でラブレターを渡すお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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