ずるい
ずるい
高校一年、秋。
私の恋人は、積極的だ。
そう、今日だって彼は、女神と崇めるその人、清水さんに猛アプローチをしている。
「潔子さーん!」
だけど彼は清水さんに振り向いてもらえたためしはない。
だけど、だ。
夕くんは私の恋人で、だから私は気が気ではなかった。
それに、清水さんにアプローチをするのは、もしかしたら私に不満があるからかも知れない。
そう思ったら、なんだか苦しくて、切なくなった。
「ミオ? どうかしたか?」
時は昼休み、私は夕くんと昼食を共にしていた。
だけど、私の手は止まったままで、そんな私を夕くんが心配そうに覗き込む。
「べ、別になにも、ないですっ」
そんな夕くんに、私は可愛いげのない返事をした。
夕くんは困ったように頭をかく。
「ミオ、俺、嫌われるようなこと、したか?」
ずるい。
そんな風に、優しく、泣きそうな顔でそんなことを言う夕くんは、ずるい。
「夕くんが、悪い」
だけど私の口からでたのはまたもや可愛げもないそれだった。
そんな私に夕くん困ったな、と呟くと、次には私は夕くんに抱き締められていた。
「え、夕くん……?」
ドキドキと心臓が脈をはやめる。
そっと彼を見上げた瞬間、重なる唇。
ああ、ずるい。
「好きだ、ミオ」
にかっと歯を出して笑う彼に私の心は彼に占領されてしまって、私は夕くんの胸に顔を埋める。
「だって夕くん、いつも清水さんにアプローチしてるから……私、不安になった」
正直に言ったら、ばかか。困ったような照れたような彼が見えた。
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青葉さまリクエストです。
西谷くんで一年生の夢主、付き合っていて切ない感じからの甘です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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