気づくもの、
気づく者、
イライラ、した。
烏野が梟谷学園の合宿に参加するようになって気づいたことがある。
マネージャーの霜月は、赤葦さんの幼馴染みで、高校入学と同時に宮城に越してきた烏野一年のマネージャーだ。
だから、東京遠征をすると、霜月は必ず赤葦さんと仲良く話していた。
イライラ、した。
「京治ったら!」
「なに? ミオは子供だね」
そんな風なやりとりを見せつけられて、霜月に思いを寄せる僕は、生殺しだ。
「月島、なにかあったのか?」
「うるさい日向」
練習に身が入らなかった。
一日の練習を終え、僕は木兎さんの自主練に付き合う。
必然的に、赤葦さんも一緒だ。
「つっきー! 今日はいつもにも増して仏頂面!」
黒尾さんがにやにやしながらいう。
「べつに。いつも通りです」
平静を装って答えても、黒尾さんにはきっと見抜かれてるんだろうけど。
「ま、いっか。さ、練習しようぜ!」
やっぱり練習なんか、身が入らなかった。
そんな自主練の休憩時間、不意に赤葦さんに話しかけられた。
「月島、」
「…………なん、です?」
あからさまに嫌な顔をしてしまった。
僕もガキだな、なんて思った時だった。
「俺がミオとの仲良くするの、気に入らない?」
赤葦さんを見たら、笑っていた。……何がおかしいのだろうか。
「ええ、気に入らないですね」
「そう。でも、ミオは……いや、なんでもない」
この人は、僕の気持ちもを知っているのか。つくづく鋭い人だ。
「まあ、気に入らないですね。でも、今霜月は宮城にいて、赤葦さんは東京にいます。距離的には僕が有利ですよね?」
悔しいから言い返したけど、相変わらず赤葦さんは笑顔を崩さない。
「そう。そうだね。ただ、ミオが君の気持ちに気づいてないのは考えものだけど」
そう言った赤葦さんは相変わらず笑っている。
「あ、いたいた! 月島くん! ご飯終わっちゃうよ!」
「霜月……」
タイミングよくか悪くか霜月が俺を呼びに来る。彼女は満面の笑みを浮かべていた。
ねえ、気づいてよ。僕の気持ちに。出かけた言葉を飲み込んで、僕は霜月に返事をするのだった。
「今いく……」
そんな僕を見る霜月の思いなんて、僕の知るところではなかった。
「どっちも鈍いな……」
赤葦さんが、そう言ったのを僕は知らないままに。
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穂香さまリクエストです。
月島くんで、赤葦くんの幼馴染みで烏野マネ、赤葦くんと仲良くするのをみた月島くんが嫉妬するお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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